李明博(イ・ミョンバク)元大統領が実質的に所有していると疑われている自動車部品会社ダースが、40の借名口座を通じて120億ウォン(約12億円)の裏金を運用した痕跡が見つかったと、正義党のシム・サンジョン議員が27日に明らかにした。これに先立ち、ハンギョレはチョン・ホヨン特別検事チームが2008年、李明博大統領当選者関連の各種疑惑を捜査した際、ダースで130億~150億ウォン(約13~15億円)の裏金が作られた事実を確認したにもかかわらず、捜査を中断したことを2012年11月に報道した。
シム議員は同日、国会政務委員会の韓国資産管理公社に対する国政監査で、ダースの裏金と推定される120億ウォン台の現金の移動内訳を公開した。これは国内都市銀行3行や保険会社、投資信託会社に17人名義の40の口座で分散保管されていたが、2008年2~3月数回にわたりダース法人への入金が行われたり、名義が変更された。当時は李明博元大統領関連疑惑を捜査したチョン・ホヨン特検チームの活動(2008年1~2月)がまだ行われていたか、最後の段階に差し掛かった時期だった。この資金はダースの米国法人(CRH-DAS)から売上債権として受け取った者として会計処理され、ダースの韓国法人に流入されたとシム議員は主張した。例えば、2008年2月16日に4人がそれぞれ保険契約を解約し、ダースの銀行口座に12億2278万5498ウォン(約1億2千万円)が入金され、同日に同額がダースの米国法人から韓国法人に送金された。このような方法で作られた総額が120億3300万ウォン(約12億円)だ。シム議員はハンギョレとの電話インタビューで「同日に同額が現金に転換され、ダースの米国法人から入ってきた売上債権として処理されたことから、借名口座と見られる」とし、「この資金の流れの内訳はチョン・ホヨン特別検察官チームが把握していた裏金資料と推定される」と話した。
資産管理公社がダースの株主になってから株主配当が実施された事実も確認された。ダースの大株主だった李明博元大統領の義弟のキム・ジェジョン氏が2010年2月に死亡し、株式を相続した夫人K氏がダースの株式で相続税を納付したことで、資産管理公社が2012年にダースの株主(19.9%)となった。ダースは同年、資産管理公社が配当要求権を行使してから、ようやく資産管理公社や清渓財団、李元大統領の実兄のイ・サンウン氏、K氏らに配当を実施した。シム議員は「主が主の権利を行使しなかったとしか思えない」と話した。イ・サンウン氏などが実質的な所有者ではなく、“お雇い社長”だった可能性が高いということだ。