登録 : 2017.09.20 06:50 修正 : 2017.09.20 08:34

数百人のコメント部隊指揮、 
数億ウォンを受け取った民間人チーム長にも「単純加担」の論理 
民間人を管理していた国情院職員の虚偽の領収証で横領したのに 
裁判所「犯行を認め被害金額の全額供託」を理由に棄却 
法曹界「不法選挙介入が判明した状況での供託には意味ない」

ソウル中央地方裁判所//ハンギョレ新聞社
 裁判所が李明博(イ・ミョンバク)政府時代の国家情報院(国情院)の世論工作に関与した人々の拘束令状を相次いで棄却し、国家の情報機関の組織的な犯罪を究明する上で支障をきたしかねないという懸念が高まっている。裁判所は民間人チーム長を「単純加担者」と判断したり、世論工作の過程で巨額の予算を横領した国情院職員の拘束捜査の必要性を認めなかった。裁判所が今回の事案の重要性と本質を見落としているという指摘が出ている。

 ソウル中央地裁オ・ミンソク令状専担部長判事は19日、国情院の世論操作事件と関連し、検察が請求した3人の拘束令状のうち、ミン・ビョンジュ元心理戦団長を除いた残り2人の令状を棄却した。この日令状が棄却された民間人チーム長のS氏は、「ピラミッド組職」のように数百人のチームメンバーを従えており、2009年から4年間、国情院から計10億ウォン(約9860万円)を受け取った。

 だが、オ部長判事は「公務員犯罪であるこの事件の犯行で被疑者が占める地位と役割および加担の程度、S氏を含めた全体の犯行の加担者に対する捜査や裁判の進行状況を考慮した」として、令状を棄却した。S氏に適用された容疑は国情院法・公職選挙法違反だが、民間人の身分であるS氏は国情院が主導した犯罪に加担したに過ぎないと見なしたというわけだ。しかし、S氏はすでに2013年、検察の国情院大統領選挙介入事件の捜査の時も虚偽の供述をしており、今回の検察捜査を控えても共犯らに証拠隠滅を指示した情況が捉えられている。

 検察内外では、国情院が先に提案したとしても、数年間組織的な不法選挙・政治介入をしてきた人物を「単純助力者」と見なした裁判所の判断は理解し難いという反応が多い。ある法曹界の関係者は「民間人チーム長は一種の中間企画者」だとし、「民間人チーム長らの『地位と役割、加担の程度』を大したことではないと見ること自体が深刻な問題」と指摘した。

 S氏とともに令状が棄却されたM氏は、2011年当時、国情院の職員として心理戦団の外郭チームを担当し、知り合いの個人情報を密かに盗用し、虚偽の現金受領領収証を作って提出する手口で数千万ウォンを横領した疑い(詐欺など)を受けている。しかもM氏は当時、犯行が摘発され監察調査を受けることになると、国情院の世論操作を暴露すると言い、特に処罰や懲戒処分もなく免職されるなど、罪質も悪いということが分かった。また、検察の調査が迫ると出国を試みたが、出国禁止処置にされ、捜査着手直後に自分の携帯電話を解約したという。

 オ部長判事はこの日、M氏の拘束令状を却下した理由として「被疑者が犯行を認め、拘束令状請求以後は被害金額を全額供託した点」などを挙げた。だが、裁判所内部でも「被害金額供託」を理由に令状を棄却したのは異例だという評価が出ている。また、ほかの法曹界の関係者は「この事件は誰かを殴って被害を償うような事案とは違う。不法な選挙介入過程で血税を横領したのに、被害金額の供託がこの事件で一体どんな意味があるのか」と指摘した。

 これに先立ち裁判所は、陽地会「サイバー同好会」会員150人余りを動員して世論操作を行った元陽地会企画室長のN氏の拘束令状も同様の理由で棄却し、証拠隠滅に乗り出したP事務総長の拘束令状も「隠匿した証拠の価値」を問題視して棄却した。検察はこの日、令状棄却に対して公式的な反発はしなかったが、内部的には「重要なポイントごとに裁判所が令状を棄却する」とし、捜査の支障を懸念する声が出た。

ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-09-19 20:45
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/811692.html 訳M.C(1734字)

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