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大統領府、“我が道を行く”国防部長官に“警告状”…外交安保混乱を遮断

登録:2017-09-20 04:05 修正:2017-09-20 08:12
宋国防長官に「厳重注意」  
戦術核・対北朝鮮支援関連の“独自”の見解を表明したうえに 
大統領府特別補佐官を露骨に非難したことを受けブレーキ  
 
外交安保ラインの内輪もめ説広がりかねず  
懸念伝えてから「公開警告」  
ソン国防部長官「特別補への非難は行き過ぎていた」と謝罪
今月19日午後、国会法制司法委員会でペク・ウンギュ産業通商資源部長官(右)が議員たちの質疑に答えている間、ソン・ヨンム国防部長官が考え込んでいる=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 大統領府が“我が道を行く”発言で問題になったソン・ヨンム国防部長官に対して「厳重注意」し、取り締まりに乗り出した。ただでさえ厳しい安保危機状況で、外交・安保ラインが“内輪もめ”を起こしているという批判を急いで遮断するためのものとみられる。ソン長官は国会常任委員会に参加し、自身の発言について“謝罪”した。

 大統領府のユン・ヨンチャン国民疎通秘書官は19日、「ソン・ヨンム国防部長官の国会国防委員会での発言と関連し、国務委員として適切でない表現と調整されていない発言で政策的混乱を引き起こした点について、厳重注意措置した」と記者団に告知した。同日午前、大統領府の懸案点検会議の時にイム・ジョンソク秘書室長とチョン・ウィヨン安保室長は、ソン長官を厳重に注意すべきということで意見の一致を見ており、チョン安保室長がソン長官に電話をかけて警告や懸念の意を伝えたという。ソン長官は前日の国会国防委員会に出席し、大統領特別補佐官であるムン・ジョンイン延世大学教授について、「安保特別補佐官とは思えず、学者の立場で騒いでいる感じだ。嘆かわしい」と非難した。また、韓国政府の国際機関を通じた800万ドルの対北朝鮮人道支援について、「支援の時期を遅らせて調整する予定」だと述べた。これに先立ち、ソン長官は「朝鮮半島における戦術核の再配備を多様な案の一つとして検討すべき」と主張するなど、これまで大統領府と政府の方針とは相反する公開発言で、これまでも数回議論を呼び起こしていた。

 大統領府ではソン長官の歯に衣着せぬ発言に対する不満の声が高まっていたが、ソン長官を尊重するため、“遠まわしに”懸念を伝えるか、李洛淵(イ・ナギョン)首相を通じてメッセージを調整してきた。大統領府が問題を公開的に指摘し、ソン長官が反発する形になると、外交・安保ラインの内輪もめ説が広がりかねないという懸念があったためとみられる。しかし、大統領府が今回、直接的に強力な警告を送ったのは、彼の言動をこれ以上黙過・放置すれば、似たような“事故”が繰り返される可能性があると判断したためと見られる。大統領府関係者は「ソン長官が独自の見解を表明することがあまりにも多い。戦術核の再配備発言まで含めて、総合的なレベルで注意措置した」と説明した。また、「北朝鮮に対する人道支援の時期の調整は国防部長官の領域ではない」と付け加えた。ソン長官が他の省庁の業務領域まで“侵犯”して調整されていないメッセージを送ったという批判だ。

 大統領府関係者は、ソン長官に警告を送った事実を告知した後、春秋館で「人事問題につながる可能性はまったくなく、外交・安保ラインの混乱というのも飛躍」だと線を引いた。同関係者は「大統領府は政務的行為の一環として長・次官や国務委員について意思を表明することもある」とし、「ムン・ジョンイン特別補佐官とは異なり、国務委員であるソン長官の言葉は政府を代弁するものとして受け止められる可能性があるため、慎重を期してほしいという意味だ。(これを)外交・安保ラインの混乱と見るのは的外れだ」と話した。

 ソン長官は同日開かれた国会法制司法委員会全体会議で、前日のムン・ジョンイン教授を露骨に非難したことについて、「行き過ぎた発言だった」として謝罪した。彼は「(大統領)特別補佐官と意見の相違があるからといって、大統領府安保室長が国防長官を注意したのが悔しくないか」と聞くキム・ジンテ自由韓国党議員の質問に対しても、「悔しいとは思っていない。精製されていない発言をしたことについて謝罪した」と頭を下げた。

チョン・ユギョン、キム・ギュナム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/811699.html 韓国語原文入力:2017-09-19 21:43
訳H.J(1994字)

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