文在寅(ムン・ジェイン)大統領と日本の安倍晋三首相が15日、北朝鮮の弾道ミサイル発射の後に行われた電話会談で、韓国政府の対北朝鮮人道支援事業をめぐり、意見の相違を露呈した。
両首脳は同日午後5時37分から34分間にわたり電話会談を行い、北朝鮮が先月29日に続き、またも同日、日本上空を通過するミサイルを発射したことに対する対応策を協議した。会談で安倍首相は、韓国政府が国連児童基金(ユニセフ)と世界食糧計画(WFP)など国連機構の要請によって北朝鮮に800万ドルを支援する案を推進することについて、「時期を考慮してほしい」という意見を伝えたと、大統領府のパク・スヒョン報道官が伝えた。
これに対し、文大統領は「世界食糧計画と国連児童基金が北朝鮮の乳幼児や妊婦に対する事業支援を要請してきたため、検討するようになったのであり、原則として乳幼児や妊婦を支援するのは政治的状況に関係なく取り上げるべき事案だと見ている」と答えた。また、「南北交流協力推進協議会で、現在、北朝鮮が核およびミサイル挑発を続けているなど様々な状況を総合的に考慮し、時期など関連事項を判断することになるだろう」と説明した。文大統領はさらに、「人道支援を行うことになっても、現金ではなく現物で、乳幼児や妊婦など必要な人たちに届けられるかをモニタリングすることが前提」だと述べた。
電話会談で、文大統領は「対北朝鮮挑発に確固として対応しつつ、緊張が激化して偶発的衝突につながることがないように、韓日両国が状況を安定的に管理していくのに協力しよう」と提案した。安倍首相も「朝鮮半島の戦争で大きな被害が発生することを決して望んでいない」という意思を示したと、パク報道官は伝えた。
両首脳は国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議を徹底的に実施し、北朝鮮を対話のテーブルに引き出すべきだという認識を共にし、来週に開かれる国連総会で実効的措置を協議することにした。