世論調査専門機関「韓国ギャラップ」の9月第1週の世論調査の結果、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の国政遂行に対する支持率が、8月第5週の調査より4%ポイント下落した72%であることが分かった。韓国も核兵器を保有すべきという主張に対する賛否を訊いた結果は、60%が「賛成」、35%が「反対」だった。
韓国ギャラップが今月5~7日、成人1004人を対象に行って8日に発表した世論調査(信頼水準95%、標本誤差±3.1%ポイント)の結果、文大統領が国政遂行について、「良くやっている」という意見が72%、「誤っている」という意見が20%、8%は意見を留保したことが分かった。肯定的な評価は8月5週の調査(8月29~31日)より4%ポイント下落しており、否定的評価は4%ポイント上昇した。
ギャラップは今月3日の北朝鮮の核実験による安保危機が文大統領の支持率に影響を及ぼしたものと分析した。ギャラップが文大統領の職務遂行を肯定的に評価した人(727人・自由回答)にその理由を尋ねた結果、「よく疎通している・国民の共感を得るために努力している(18%)」が最も多く、「庶民のための努力・福祉の拡大(15%)」、「改革・弊害の清算・改革への意志(10%)」、「最善を尽くす・一生懸命(9%)」、「以前政権よりはましだ(5%)」、「対北朝鮮政策・安保(4%)」、「雇用創出・非正規職の正規職化(4%)」などがその後を続いた。否定的に評価した人(205人・自由回答)は、その理由として「北朝鮮の核・安保(28%)」、「過度な福祉(12%)」、「独断的・一方的・偏向的(7%)」、「THAAD(高高度防衛ミサイル)問題(5%)」、「人事問題(5%)」などを挙げた。
ギャラップは「今週肯定的評価率の下落や否定的評価率の上昇は50代・60台以上の無党派層で最も著しく、肯定的な評価の理由には大きな変化のない反面、否定的な評価の理由としては北朝鮮の核・安保の割合が大幅に増えた」とし、「これは主に9月3日に行われた北朝鮮の6回目の核実験の影響とみられる」と分析した。
政党支持率は共に民主党が50%、自由韓国党が12%、正しい政党が7%、正義党が5%、国民党の4%だった。
今回の調査の詳しい内容はギャラップと中央選挙世論調査審議委員会ホームページを参照。
■核兵器保有に対し「賛成」60%対「反対」35%
一方、ギャラップは今回の調査で、北朝鮮の核実験の脅威、北朝鮮の戦争挑発の可能性、核兵器保有の主張と対北朝鮮支援、そして米国の対北朝鮮先制攻撃に対する意見も調査した。 結果は以下の通りである。
◎北朝鮮の6回目の核実験は朝鮮半島の平和を「脅かす」76%対「脅かすほどではない」20%
◎北朝鮮が実際に戦争を挑発する可能性が「ある」37%対「ない」58%
-ギャラップが1992年に実施した調査では「北朝鮮による戦争挑発の可能性」に対する質問に対し、韓国国民の69%が北朝鮮が戦争を起こす可能性があると答えた。2002年、北朝鮮の開城(ケソン)工業地区法の公布で、開城工業団地の推進が具体化された当時は33%まで減ったが、第1回核実験1年後の2007年には51%に再び増えた。
◎韓国も核兵器を保有すべきとの主張に対し、「賛成」60%対「反対」35%
-ギャラップは「年齢別に見ると、20代は57%が核兵器の保有に反対しており、30代と40代は賛否の差が10%ポイント以内で少ないが、50代以上の約80%が賛成した。これは2013年2月の3回目、2016年9月の5回目の核実験直後と似たような傾向だ」と説明した。
◎北朝鮮が核を放棄しなければ「全ての対北朝鮮支援を中断すべき」65%対「人道的支援は維持すべき」32%
-ギャラップは「北朝鮮の3回目の核実験後の2013年2月に同じ質問をした時は、『全ての対北朝鮮支援の中断すべき』が46%、『人道的対北朝鮮支援の維持すべき』が47%で、拮抗していたが、今回は『すべての支援を中断すべき』が最大値に増えた」と説明した。
◎北朝鮮核問題が続く場合、米国の北朝鮮先制攻撃の主張に対し、「賛成」33%対「反対」59%