今は制裁・圧迫に集中して状況判断
「対話自体が目的となってはならない」
北朝鮮の核解決に役立つ「確実な担保」強調
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は17日、対話の環境が整うことを前提に、北朝鮮に特使派遣を考慮できると明らかにした。文大統領はこの日、大統領府迎賓館で開かれた就任100日を迎えた記者会見で、断絶した南北対話の再開に向けて大統領特使を北朝鮮に派遣する意向があるかを問う質問にこのように答えた。
対北朝鮮特使派遣について可能性を開いておいたが、文大統領は「対話の環境」を強調した。彼は「対話は対話自体を目的にすることはできない。対話するためには対話の環境が整わなければならない。その対話が実を結ぶという何らかの担保がなければならない。少なくとも北朝鮮が追加的な挑発を止めてこそ、対話の雰囲気が造成される」と話した。さらに、「そのような対話の環境が整えば、そして、整った対話の環境の中で南北関係を改善していくことや北朝鮮の核問題を解決することに役立つと判断されるなら、その時は北朝鮮に特使を送ることも十分に考慮できると思う」と強調した。
対話の必要性には共感しながらも、特使の派遣に先立ち「追加の挑発の中断」という条件をつけたことから推測すると、文大統領は現在の局面はまず米国が主導する国際社会の対北朝鮮制裁と圧迫に力を入れ、北朝鮮を対話の場に引き出すことに注力すべきと判断しているとみられる。文大統領は「南北対話は再開されなければならない。だが、それに対して韓国が急ぐ必要はないと考える。この10年間の断絶を克服し再び対話を開いていくのは、多くの努力とまた時間が必要でもある」と話した。李明博(イ。ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政府を経て破綻した南北関係を回復するには、少なからぬ時間がかかる可能性もあり、ひとまず南北が対話を始めればどのような成果でも導出しなければならないという認識を示したわけだ。