政府が被害当事者の反発を押し切って日本と締結した「12・28合意」を再検討するとしながらも、日本軍「慰安婦」被害者ハルモニ(おばあさん)たちの真相究明の要請は拒否している。
「民主社会のための弁護士会」(民弁)のソン・ギホ国際通商委員長は15日、「戦時性奴隷被害者であるキム・ボクトンさんとキル・ウォンオクさんが12・28合意交渉と関連した文書を見せてほしいと外交部に情報公開請求をしたが、先月28日、政府が非公開を通知してきた」と明らかにした。ハルモニたちは、韓日間の交渉過程で日本が軍や官憲による慰安婦の「強制連行」があったと認めたかどうか、交渉がどのように進められたのかに関する真相を解明するため、7月18日、外交部に情報公開請求を行った。外交部は決定通知書で「公開される場合、国家の重大な利益を著しく損なう恐れがある情報」であり、「現在進められている裁判(情報非公開処分の取り消し訴訟)と関連した情報」との理由で公開を拒否した。
12・28の合意と関連した情報公開請求は今回が初めてではない。これに先立ち昨年2月、ソン・ギホ委員長は、外交部に同じ内容の情報公開を請求したが、当局によって拒否された。これに対し、今年1月ソウル行政裁判所は、ソン弁護士が提起した情報非公開処分取り消し訴訟の1審で「この合意によって日本軍慰安婦問題が最終的・不可逆的に解決されるなら、被害者だけでなく、韓国国民も日本政府がいかなる理由で謝罪と支援を行ったかを知るべき必要性が大きい」として、公開決定を下した。
これに対し、外交部は直ちに控訴した。外交部は先月31日、12・28合意を再検討するためのタスクフォース(TF)を発足させたが、今のところ控訴を取り下げる計画がなく、交渉過程についての情報公開もできないと釘を刺した。外交部関係者は「12・28TFの合意見直しの結果を見守る」とし、「再検討の結果も出ていないのに、公開するのは難しい」と明らかにした。