政府が日本軍「慰安婦」被害者問題に関する2015年の韓日合意(12・28合意)によって設立した「和解・癒し財団」の解散を含む運営方向を来月末に決定する。財団のキム・テヒョン理事長は、公式に辞職した。これによって文在寅(ムン・ジェイン)政府発足後、解散の可能性が予想されている財団の未来に関心が集まっている。
チョン・ヒョンベク女性家族部長官は27日、記者団と会い「和解・癒し財団の活動を点検・評価する点検班(監査・会計に関連する女性部職員7人で構成)がすでに発足して活動中であり、来月末に評価が終われば財団の運営方向を発表する」と話した。和解・癒し財団もこの日報道資料を出し、19日に財団理事会に辞意を示したキム理事長の辞職を正式に処理したと明らかにした。キム元理事長は「個別被害者対象の事業を一次的に締めくくったこの時点で辞意を表明することが望ましい」と辞職の理由を説明した。
日本政府の拠出金10億円(当時約108億ウォン)によって昨年7月に設立された和解・癒し財団は、女性部が管理監督する女性部登録法人だ。これまで慰安婦被害者に1人当たり2000万~1億ウォン(約198万~990万円の現金を支給する事業を行ってきた。しかし、慰安婦被害者に現金を支給しながら当事者の同意を得ずに支給を強行したという疑惑が提起されるなど、雑音が絶えなかった。女性部の財団点検班は、財団の拠出金の執行実態と現金支給対象者の選定過程に問題がなかったかなどを調べる予定だ。定款によると、財団は在籍理事の3分の2以上の賛成の議決と女性部長官の承認を受ければ解散することができる。ただし、その過程で女性部長官は外交部長官との協議を経るようになっている。特に財団の解散は事実上12・28合意の破棄を意味するため、政府レベルの決断が必要だ。チョン長官もこの日、財団のゆくえと関連して「外交部と協力していく」と話した。
チョン長官はまた、慰安婦博物館と女性史博物館を任期内に設立する意思を重ねて明らかにし、「慰安婦問題に民族主義的観点でのみアプローチするのではなく、グローバルな視点で戦争と女性に対する暴力を記憶する人々のメッカにする」と強調した。