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「2019年が建国100周年」大韓民国臨時政府の正統性を再確認し建国節議論を一蹴

登録:2017-08-16 03:46 修正:2017-08-16 07:19
独立運動とろうそくを繋ぐ歴史観 
 
「来年8・15は政府樹立70周年」 
保守政権・ニューライトの歴史歪曲に反論 
 
「国民主権、独立運動家たちが宣明 
百年の歳月を経てろうそくが継承」 
独立運動-建国-ろうそく革命を繋ぐ 
 
「産業化・民主化の区分乗り越えよう」 
二分法を克服し国民統合を強調
文在寅大統領夫妻が今月15日午前、世宗文化会館で開かれた72周年光復節記念式典に出席し、万歳をしている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任後初めて迎えた光復節記念式典で強調した「大韓民国の正統性」は、抗日独立運動から始まった(大韓民国)臨時政府に由来するものだった。文大統領はその中心理念を昨年広場で燃え上がった「ろうそく」の精神である「国民主権」に求めた。「ろうそく革命の精神を引き継いだ正しい国家」を新政府の最高の国政課題にした文在寅政権の正統性が、100年前の歴史に根ざしていることを明確にしたものだ。同時に李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)政権と保守陣営が粘り強く主張してきた「1948年建国」を一蹴したものでもある。

 文大統領は15日、ソウル世宗文化会館で開かれた72周年光復節記念式典での演説で、「国民主権はこの時代を生きる私たちが初めて使った言葉ではない」とし、「1917年7月、独立運動家14人が上海で発表した『大同団結宣言』は、国民主権を独立運動の理念として宣明した。さらに、『庚戌国恥(日本による韓国の強制併合・1910年8月29日)は、国権を喪失した日ではなく、むしろ国民主権が生まれた日だ』と宣言し、国民主権に立脚した臨時政府の樹立を提唱した」と説明した。

 文大統領が言及した大同団結宣言は、100年前に申圭植(シン・ギュシク)や朴殷植(パク・ウンシク)、申采浩(シン・チェホ)、趙素昂(チョ・ソアン)など14人が発表した宣言で、2年後に樹立された大韓民国臨時政府の根拠となった。日帝の強圧に耐えられず、君主(純宗)が主権を放棄することによってその主権は国民に相続されて「民権」が発生したという論理で、臨時政府が標榜した共和主義が生まれる基盤となったものと評価されている。

 文大統領はさらに、「国民が主である国を設立しようとして先代たちの願いは100年の時間を続けてきており、ついにろうそくを持った国民の実践となった」とし、「韓国国民が高く掲げたろうそくは独立運動精神の継承」だと明らかにした。大同団結宣言の趣旨が「大韓民国の主権は国民にあり、全ての権力は国民に由来する」という憲法第1条を叫んだろうそく広場の実践と変わらないということだ。

 「国民主権」を媒介としてろうそく革命と独立運動、建国を繋げた文大統領は、1948年の政府樹立日を建国節とすべきという歴史観に真っ向から対立した。彼は2019年が「大韓民国建国と臨時政府樹立100周年」であり、来年8・15は「政府樹立70周年」であると宣言した。

 朴槿恵政府時代に推進された歴史教科書の国定化の際、主な争点だった建国節の制定をめぐる議論と関連して、文大統領はこれまで「臨時政府の樹立が建国」という一貫した態度を堅持し、保守陣営に立ち向かってきた。自由韓国党のリュ・ソクチュン革新委員長は同日も、光復節記念式が行われていた午前10時に記者会見を開き、「大韓民国が1948年に建国されたのは、議論ではなく事実」だと主張した。予期されていた保守勢力の反撃にもかかわらず、文大統領が記念式典で臨時政府の正統性を強調したのは、いつになく保守の基盤が脆弱になった状況で、建国節をめぐる論議に終止符を打つためと見られる。

 文大統領はそう言いながらも、「報勲」を通じて「統合」も強調した。彼は「私たちにとって真の報勲は、烈士たちが建国の理念とした国民主権を実現し、国民が主である国らしい国を作ること」だとしたうえで、「国民主権の巨大な流れの前で保守、進歩の区分が意味を成さなかかったように、韓国近現代史で産業化勢力と民主化勢力を分けることも、これからは乗り越えなければならない。大韓民国第19代大統領の文在寅も、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)だけでなく、李承晩(イ・スンマン)、朴正煕(パク・チョンヒ)に繋がる韓国大統領の歴史の中にいる」と述べた。

キム・ボヒョプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/806938.html 韓国語原文入力:2017-08-15 22:27
訳H.J(1956字)

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