文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「軍事境界線における相互敵対行為の中止」の時点として提示した27日にも、北朝鮮は政府の軍事当局会談の提案に何ら反応を示さなかった。一部で懸念した弾道ミサイルの発射実験もしなかった。今回北朝鮮が沈黙を守ったことで、政府はこれからさらに長い時間を待たされることになった。
ムン・サンギュン国防部報道官は27日、報道機関ブリーフィングで、南北軍事当局会談の提案が27日の休戦協定締結日以降も有効かという記者の質問に、「政府の対話意志と真摯さには変わりがない」という原則的立場を明らかにした。確答は避けたが、国防部がいつでも北朝鮮の反応があれば対話に乗り出すものと見られている。ムン報道官も「朝鮮半島への平和定着と軍事的緊張を緩和するための韓国側のベルリン構想と南北軍事当局会談の提案に対し、北朝鮮側が応じることを促す立場には変わりがない」としたうえで、「政府は北朝鮮の反応に一喜一憂せず、南北間の平和定着と軍事的緊張を緩和するための努力を続けていく」と付け加えた。
北朝鮮は同日、弾道ミサイルの発射実験を行わなかった。ノ・ジェチョン合同参謀本部広報室長は「(弾道ミサイル)発射の動きはない」と明らかにした。ノ室長は、北朝鮮が咸鏡南道新浦(シンポ)一帯でミサイル射出試験をしたという米国のマスコミ報道については、「具体的な情報事項については言えない」と話した。同日、世界気象機関(WMO)の予報によると、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)級「火星14」型を発射した平安北道地域は週末まで雨が降る見込みだ。気象状態に敏感な弾道ミサイルの発射は少なくとも週末までは難しいということだ。
「労働新聞」は同日、「祖国解放戦争(朝鮮戦争)勝利64周年慶祝中央報告大会が26日、平壌で行われた」と報じた。同紙は社説や論評を通じて「(核武装によって)朝鮮の戦略的地位は根本的に変わった」とし、米国に「対北朝鮮敵視政策」の放棄を改めて求めた。
一方、米国が来月開かれるASEAN(東南アジア諸国連合)地域安保フォーラム(ARF)に北朝鮮が参加できないように、加盟国に対する“説得”作業を行なっているという朝日新聞の報道に対し、外交部関係者は「事実と確認されたこともなく、米国が多国間会議でそのようなことをしているということを信じるには納得しがたい部分がある」と話した。