政府が「100大国政課題」を通じて出した財閥改革政策は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が候補時期から強調してきた公約に対する「具体的な履行」に重きを置いている。特に公正取引委員会を中心に財閥トップ一家の不当な手段を動員した経営継承と「仕事の集中割り当て」(私益詐取)を集中的に監視するという意志が際だっている。
国政企画諮問委員会は19日「文在寅政府国政運営5カ年計画」で「財閥トップ一家が思いのままに影響力を振り回せないよう、2018年までに親会社の株主が不法行為をした子会社の役員を相手に訴訟できる『多重代表訴訟制』を導入し、株主総会に出席せずともインターネットなどで議決権を行使できる『電子投票制』を義務化する」と明らかにした。また、少数株主の権利保護のために、株主総会で選任しなければならない理事数分の投票権を与え、特定の候補に集中投票したり、多くの候補に分けたりできるようにする「集中投票制」の義務化も推進することにした。国政委は「横領・背任などの経済犯罪に対しては、法執行を厳正にし、赦免権審査も強化する」と付け加えた。この政策を反映するには商法を修正しなければならない。
持分率が低いトップ一家が、大企業集団内で強大な影響力を振り回す問題を阻むため、公正取引法で定める持株会社の子会社の最低持分率(現行は上場企業基準20%)引き上げなど「持株会社行為制限」に対する規制も2018年までに用意する。いわゆる「自社株マジック」と呼ばれる企業の人的分割時の自社株議決権復活を防ぎ、大企業集団などにある循環出資を段階的に解消できる方案も用意することにした。国政委は「トップ一家などが実質的に支配する海外法人を通した国内系列会社の出資現況を公示する方案も推進する」と明らかにした。
財閥の私益詐取を防ぐため、公取委が現在運営中の仕事集中割り当て規制の適用対象企業範囲を2018年までに拡大し、該当する企業の仕事集中割り当ての可否を常に監視することにした。金融資本と産業資本が相手業種を所有・支配することを禁止している「金産分離」原則を拡大するため、2018年までに金融保険会社の系列会社に対する議決権制限を強化して、金融グループに対する統合監督も施行することにした。
新政府は、財閥改革“ドライブ”を強くかける立場だ。キム・サンジョ公正取引委員長は最近、ハンギョレとのインタビューで「(新政府の核心人物は)財界との関係を過去のようにしてはならないという教訓を持っている」として「成長率をより引き上げるために(企業から)守りもしない投資・雇用の約束を受けて見過ごす関係は作らない」と話したことがある。