ドナルド・トランプ米大統領との首脳会談を通じて、首脳外交に始動をかけた文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、中国の習近平国家主席と「首脳外交第2ラウンド」を控えている。主要20カ国・地域(G20)首脳会議を控えた6日、ドイツのベルリンで開かれる初の韓中首脳会談は、韓米両国が首脳会談などを通じて対北朝鮮政策と在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)システム配備問題に一定のコンセンサスを形成した後であり、さらに注目される。
韓米首脳会談で公式議題にはしなかったが、文大統領は訪米日程で中国が反対するTHAAD配備問題と関連して「国内手続きでTHAADを覆す意思はない」というメッセージを明確にした。これに対して、中国は不快の表情を隠していない。
習主席は3日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会い、朝鮮半島問題を含めた各種問題で協力を強化することで意見をそろえた。両首脳は特に、朝鮮半島問題については「戦略的協力の維持」と「対話と談判を通じた北朝鮮核問題の解決」に合意したと新華社通信が4日伝えた。彼らはまた、THAADの韓国配備が「地域戦略のバランスに関係するもの」として、「中ロ双方は韓国にTHAADを配備することに反対するという立場が一致する」と明らかにした。ある韓中関係の専門家は「習主席がこの日発言をしたのは、当分の間中国の譲歩は容易でないという意味」だとし、「韓国新政府に対する失望が反映されたもの」と話した。
外交部側では、文大統領が習主席と会い「THAAD配備の決定過程で、中国と十分な外交的協議が不足していた」と認め、もつれた結び目をほどく誠意を示せば大きな無理はないという観測が出ている。ある政府関係者は「(韓中関係が)発展していると思えばいい。(雰囲気は)悪くない」と伝えた。文大統領就任直後、習主席が電話通話で「求同化異」(同じものを追求するが他のことは和解する)という積極的な表現を使い、その後行き詰っていた韓中外交次官戦略対話などが再開したことも、このような判断の根拠とみられる。
一方、6日の首脳会談は大きな摩擦なく乗り越えるかもしれないが、韓米首脳会談の結果により韓中関係は当面、さらに泥沼にはまる可能性が濃厚だという意見も出ている。匿名を求めたある中国専門家は「文在寅政権に期待をしていた中国政府が、韓米首脳会談の結果を見て(韓中間の)コミュニケーションに困難があるという判断をしたようだ」とし、「中国政府は(文大統領に対する)期待を留保し、慎重な立場を取るものとみられる」と分析した。韓米と韓中関係を同時に管理するものと予想されていた文大統領の行動が、現在までは米国の方に集中された形ということだ。また、他の中国専門家は「最近、トランプ政権が中国企業に対する制裁、南シナ海における自由航海、台湾への兵器販売など、中国に対する圧迫を強化していることから、(韓米が追求する)対北朝鮮協調どれほど緊密に行われるかも疑問」と話した。