いわゆる「文化芸術界ブラックリスト」の作成を総括指示した容疑で裁判に付された金淇春(キム・ギチュン)元大統領府秘書室長(78)に検察は懲役7年を求刑した。特検はチョ・ユンソン元文化体育観光部長官(51)とキム・サンニュル元大統領府教育文化首席(57)にはそれぞれ懲役6年を、キム・ソヨン元文体秘書官には懲役3年を求刑した。
ソウル中央地裁刑事30部(裁判長ファン・ビョンホン)審理で3日に開かれた“ブラックリスト”裁判の結審公判で、特検は「被告人は憲法が守護する自由民主的基本秩序の核心価値である表現の自由を侵害した」として、このように求刑した。イ・ヨンボク特別検察官補は「被告人は“敵・味方”に区分けして国を分裂させ、歴史の歯車を逆転させようとした」とも指摘した。さらに「被告人の過ちは、単に朴槿恵(パク・クネ)政府の秘書室長、長官などの席にあったということではない」として「被告人は参謀として大統領の過ちを正すことができず、むしろこれに同調し、過ちを指摘した人々を追いだし国民の口をふさぐ先頭に立った」とも付け加えた。金元室長らが裁判で「朴槿恵前大統領の意志や指示のままに履行したり伝達したに過ぎない」と主張したことに対する反論と見られる。
金元室長は、朴槿恵政府に批判的な文化芸術家に対する政府支援排除対象名簿の作成と執行を総括指示した容疑(職権乱用、強要)で裁判に付された。また、ブラックリスト業務に消極的だった文体部の1級公務員3人に対し辞職を強要した容疑もある。チョ元長官は、大統領府の政務首席秘書官在職当時、ブラックリストの作成と管理に関与し、文体部長官を務めた昨年末には、国会国政調査聴聞会でブラックリストについて知らないという趣旨で偽証した容疑(国会証言鑑定法違反)も受けている。キム元首席とキム元秘書官もブラックリスト作成に関与した容疑を受けている。