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[ニュース分析]学歴万能・地域差別を正す…実力に基づいた「公正競争」を誘導

登録:2017-06-23 04:41 修正:2017-06-23 07:33
公共部門のブラインド採用
文在寅大統領が今月22日午前、大統領府で開かれた首席・補佐官会議で発言をしている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が22日の首席・補佐官会議で、公共部門における「ブラインド採用制」と「地域人材採用割当制」の導入を指示したのは、韓国社会の「学歴(学閥)による差別」と「地方出身に対する冷遇」は必ず正すべきという文大統領の所信に基づいたものと、大統領府関係者らは見ている。司法試験に合格し、優秀な成績で司法研修院を卒業したにもかかわらず、地方の弁護士として活動しながら痛感させられた「地方出身の非名門大卒業生」に対する無視と差別が、地域主義と学閥社会の改革に対する信念を形作ったということだ。大統領府関係者は「文大統領が研修院時代に、自分より成績が劣る同期生たちがソウルの名門法学部出身という理由だけで、判事や検事に任用されていくのを見て、公職社会に大きな失望感を抱くようになったようだ。このような若い時代の経験が学歴社会の撤廃に対する所信に繋がったと思われる」と話した。

地方・非名門大出身の文大統領 
「判・検事任用の挫折」普段の所信に溶け込む 
 
「ブラインド採用」自由韓国党除き4党の共通公約 
「採用手続きの公正化」法案が国会で継続審議中 
「民間への拡大のため関連法の早期改正を推進」 
 
「地域割当制30%」勧告案の効果は微々たるもの 
大統領府「様々な奨励策を検討している」

 文大統領が同日、導入を指示した「ブラインド採用制」は、大統領選挙候補時代の公約でもある。大統領府は同制度が自由韓国党を除いた院内4党の共通公約だっただけに、政府・与党の意志があれば、公共部門への導入に障害がないと判断している。共に民主党のハン・ジョンエ議員などはすでに昨年6月、ブラインド採用を義務化する内容を盛り込んだ「採用手続きの公正化に関する法律改正案」を発議した。同法案は採用する側が履歴書や自己紹介書などの求職基礎資料に身体的条件や出身地域、両親の職業や財産状況などの記載を要求できないようにする強制規定が含まれている。

 大統領府のパク・スヒョン報道官は同日、春秋館でのブリーフィングで「公共部門におけるブラインド採用制の導入と民間部門への拡散は関係部署合同会議を通じて内容をまとめる予定」だとし、「中核となるのは、公共機関などの入社志願書と面接に求人者の偏見が介入するかもしれない出身地域や家族関係、身体条件、学歴など人的事項の項目を削除し、実力中心の評価制度を導入すること」だと話した。大統領府は、省庁間の調整が終わり次第、公共機関には今年下半期からブラインド採用を導入する方針だ。これを向け、企画財政部、行政自治部、人事革新処など関係省庁が合同で公共部門のブラインド採用実践策を確定し、今月中に発表する予定だ。ただし、民間部門の場合、現場や専門家の意見を反映した「ブラインド採用ガイドブック」を作成して普及し、関連法の改正が早期に行われるように、国会とも積極的に疎通していくというのが、大統領府側の説明だ。

 地域人材採用割当制と関連しては、まだ具体的な施行策が議論されていない状態だ。大統領府関係者は「(すでに)政府の『30%勧告基準』があるため、様々な角度から(地域人材の採用を)促す方法を検討している」と話した。実際に、公共機関の革新都市への移転に伴って、地方人材採用関連法令が制定され、公共機関経営評価の際にも加点を与えるなど、地域人材優遇政策が施行されているが、義務事項がない勧告事項であるため、実質的な採用の効果は微々たるものだ。全国革新都市における地域人材の採用率(正規職)は2014年8.8%、2015年13.5%、2016年13%水準にとどまっている。地域別にみると釜山(プサン)革新都市が24%、忠清北道革新都市が14.5%、全羅北道革新都市が12.9%で、残りの地域はほとんどが10%前後だ。

イ・セヨン、全州/パク・イムグン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/799935.html 韓国語原文入力:2017-06-22 22:16
訳H.J(1816字)

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