解職から3千日を超した報道専門チャンネルYTNのノ・ジョンミョン記者が、YTNの社長の座に挑戦する意を明らかにした。
ノ記者は11日午後9時頃、YTN労働組合に「YTN社長公募に立候補することを決心した」という内容の文を伝えた。彼は「組合員の皆さんへ」で始まる文で、「わずか1年前でも想像すらできなかった時代が開かれた。YTNの社長公募もろうそく市民が要求した結果だ。私の(社長出馬)決意がろうそく市民の時代精神に符合するのか、繰り返し自問した末に、公募手続きに臨む」ことにしたと明らかにした。出馬の契機については、「権力にコネを作ったこともなく、労組の要請を受けたり相談したこともない。一部解職者からの勧誘を受けて、一人で悩み淡々と決心した」と明らかにした。ノ記者に近いあるYTN関係者は、ハンギョレとの通話で「普段からノ記者の側近の一部が、ノ記者に対して『公正放送を実践しようと主張する人々が、自ら公正放送を作る主体になればよいのではないか』と話してきた。こうした周辺からの勧誘がノ記者に影響を及ぼしたのではないかと思う」と話した。
ノ記者は、社長公募で脱落すれば、復職しない意志も明らかにした。「今回の挑戦で意図を成し遂げられないならば、YTNでの自分の役目が終わったことを謙虚に受け入れる。YTNの社長というのは、背水の陣も敷かずに挑戦できる席ではない」ということだ。
YTNは今月5日、社長候補者の募集公告を出した。先月チョ・ジュンヒ社長が自主辞退して空席になった席を満たすためだ。これに先立ってYTN理事会は、社長候補推薦委員会(社推委)の運営方案を承認した。社推委は計5人で、株主会社が推薦する3人、会社構成員の意見を代弁できる1人、視聴者の意見を反映できる1人で構成される。社推委は16日に書類受付が終われば、書類・面接審査を経て2~3倍数の社長候補を理事会に推薦する。理事会はこれらの中から1人を社長に選定し、新任社長は来月開かれる株主総会で公式に選任される予定だ。
YTN労使はまた、解職記者の復職問題交渉も進行中だ。YTNでは李明博(イ・ミョンバク)政府の時である2008年に“落下傘社長”人事に反対した当時の労組執行部6人が集団解雇されたが、このうちノ・ジョンミョン、チョ・スンホ、ヒョン・ドクス記者がまだ会社に戻れずにいる。