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弾劾手続きの違いによって分かれるトランプと朴槿恵の運命?

登録:2017-06-09 22:40 修正:2017-06-10 07:46
米国と韓国の弾劾手続きの違い

両院制である米国は下院で訴追案発議・可決
上院で連邦最高裁長官が主宰する弾劾審判開き
陪審員の役割をする上院議員の2/3以上が有罪とすれば
大統領は追われ副大統領が大統領職を継承

韓国は国会在籍議員の1/2発議、2/3の賛成で議決
憲法裁判所で裁判官9人中6人の賛成で弾劾
朴前大統領弾劾案は裁判官全員一致で認容
60日以内に補欠選挙実施し大統領を選ぶ

2016年9月28日「9・11訴訟法」の再審表決が開かれた米国上院で97対1で法案が可決された。当時表決の現場を中継した米国のケーブルテレビチャンネル「C-SPAN2」の画面キャプチャー=ワシントン/AP聯合ニュース

 ジェームズ・コミー前連邦捜査局(FBI)局長の上院聴聞会証言で致命傷を負ったドナルド・トランプ大統領の弾劾が現実になるかに関心が集まっている。先日、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾を実現した韓国と米国の弾劾手続きの違いが、それぞれ異なる政治的状況を作り出している。

 トランプ大統領に対して提起された「司法妨害罪」は、重犯罪に分類されるので確実な根拠があるならば弾劾理由として充分だと指摘されている。

 米国大統領の弾劾は二段階で進行される。最初の段階は下院での弾劾案発議だ。これは下院議員の過半数が出席し、その過半数の賛成により発議される。一つまたは複数の弾劾理由に対して、下院議員がそれぞれ投票した結果、一つ以上の理由に対して賛成が半分を超えれば弾劾訴追案は可決される。下院での弾劾案可決は、大統領が起訴されたのと同じ意味を持つ。

 弾劾案が発議されれば、大統領は上院で弾劾審判の被告人になる。上院で進行される大統領弾劾審判は、連邦最高裁長官が主宰する。連邦最高裁長官が裁判長を務め、上院議員は陪審員団の役割をする。下院議員の一部がチームを組んで弾劾審判で検事の役割を代行し、大統領は弁護人を立てて防御することができる。弾劾審判の結果、上院議員の3分の2以上が「有罪」と判断すれば、大統領は直ちにホワイトハウスから追われ、副大統領が大統領職を引き継ぐことになる。

 重要な変数は、執権与党の共和党が上下両院を共に掌握している点だ。下院は435議席中で共和党が241席を占め、民主党(194席)を上回る。上院も100議席のうち52席が共和党だ。弾劾案が可決されるには、民主党と無所属議員の全員が賛成するという前提で、下院では24人、上院では19人の共和党議員の「離脱票」が出てこなければならない。

 弾劾対象に上がった3人の歴代米国大統領のうち、弾劾手続きの前に自発的に辞退したリチャード・ニクソン(共和党)元大統領を除く、アンドリュー・ジョンソン(1868年)元大統領とビル・クリントン(1998年・以上民主党)元大統領は共に上院で弾劾案が否決された。

 韓国の弾劾制度は憲法第65条から出発する。65条1項は「大統領、首相、国務委員など、その他法律が定めた国家公務員がその職務執行において憲法や法律に背反した時には、国会は弾劾訴追を議決できる」と規定している。首相など他の公職者の弾劾は、国会在籍議員の1/3以上が発議し、在籍議員の過半数の賛成で議決されるが、大統領に対しては要件が厳格になっている。国会在籍議員の過半数が発議し、在籍議員の2/3以上の賛成で議決される。米国とは異なり、韓国の憲法は国会の訴追案議決だけでも大統領の権限行使が停止される。徹底して大統領制である米国とは異なり、一種の議院内閣制要素が加味されているわけだ。

3月10日午前、ソウル市鍾路区斎洞の憲法裁判所大審判廷で朴槿恵大統領の弾劾審判の宣告がイ・ジョンミ憲法裁判所長権限代行の主宰で開かれている=共同取材団//ハンギョレ新聞社

 国会の役割は弾劾訴追案を議決するところで終わり、本格的な弾劾審判は憲法裁判所で行うことになる。米国のように上下院に分かれた両院制の国家では、弾劾審判を通常上院で行うが、韓国はヨーロッパの多くの国家のように別途に憲法裁判所を設置し、弾劾審判を任せている(憲法111条)。また、憲法裁判所法に弾劾審判手続きを詳しく規定している。弾劾の決定は、裁判官9人中の6人以上の賛成がなければならない。憲法裁判所の弾劾審判は、一般に公開された法廷で開かれ、有罪を主張する検事のように国会法制司法委員長が訴追委員の役割をすることになる。大統領は、弁護団を別に設け、直接法廷に出てきて自身を直接弁護し弾劾訴追案の不当性を主張することができる。憲法裁判所の審理が終わり宣告をすることになれば、その結果(認容、または、却下・棄却)により宣告直後に罷免されたり、あるいは業務に復帰することになる。弾劾決定によって罷免されても、これは職位に対する罷免に過ぎず、民事・刑事上の責任を問うものではない。韓国では良く知られているように、2004年3月の国会で盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の弾劾訴追案が議決され、大統領弾劾審判では憲政史上前例がなく、当時は裁判官7対2の意見で弾劾案が棄却された。昨年12月、国会で議決された朴槿恵大統領弾劾訴追案は、憲法裁判所で裁判官全員一致意見で認容され、同時に朴槿恵大統領は罷免された。

ソク・ジンファン記者、チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/798184.html 韓国語原文入力:2017-06-09 17:49
訳J.S(2333字)

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