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大統領府安保室長、韓米首脳会談協議のため訪米

登録:2017-06-02 04:56 修正:2017-06-02 06:59
「米国のTHAAD調査への懸念」解消に乗り出す見込み 
 
文大統領と面談した米民主上院院内総務 
「望まないなら、THAAD費用を他のところに使う」 
大統領府は「そのような発言はなかった」と否定
チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長が1日、3週間後に迫った韓米首脳会談を調整するためにワシントンに向けて出発する前に、取材陣の質問に答えている=仁川空港/空港写真記者団//ハンギョレ新聞社

 大統領府がTHAAD(高高度防衛ミサイル)と関連した国防部の報告漏れを厳しく捜査する一方、この問題が韓米関係に及ぼす影響を最小化する作業に乗り出した。米国と中国が韓国のTHAAD政局を注視する中、先に米国の憂慮を払拭するためとみられる。

 大統領府は1日、チョン・ウィヨン国家安保室長を米国に派遣した。チョン室長は約20日後に迫った韓米首脳会談の議題を調整すると共に、今回のTHAAD報告漏れの件についても文在寅(ムン・ジェイン)政権の立場を直接説明する方針だ。この日の出国に先立ち、チョン室長は外交チャンネルを通じて、米国側に調査の背景を伝えたとし、「(調査は)国内的措置であり、韓米同盟にはまったく影響を与えないと説明した」と述べた。

 ひとまず米国側は不快感をあらわにしている。訪韓中のディック・ダービン民主党上院院内総務は前日、文在寅大統領と面談し、「韓国がTHAADを望まないなら、我々は(THAAD費用)9億2300万ドル(約1030億円)を他のところに使うこともできる」と述べたと「聯合ニュース」が報じた。国防総省のジェフ・デービス報道官も先月31日、「配備過程中のすべての措置が非常に透明だった」と敏感な反応を示した。このような米国側の反応を意識したかのように、パク・スヒョン大統領府報道官は同日午後の定例記者会見で「(報告漏れ問題が)THAADをめぐる韓米韓の軋轢として固定されてはならないと申し上げたい」と強調した。大統領府関係者はさらにダービン院内総務が文大統領に「韓国がTHAAD配備を望まないなら、関連予算をほかに使うことができる」と述べたということについても「文大統領とダービン議員間の対話にそのような内容はなかった」と話した。

 しかし、一方では、今回のTHAAD調査が韓米関係に影響を及ぼすようなものではないという主張もある。東西大学のチョ・セヨン日本研究センター所長は「外交安保ラインの報告漏れの調査という極めて内部的な手続きについて、米国を安心させなければならないのか」と反問した。チョ所長はさらに、「この件は韓米同盟のレベルから出た問題ではない。一部ではこのような処置を『自傷行為』と言っているが、これこそ政府として当然やるべきこと」だと強調した。これに先立ち、自由韓国党のチョン・ウテク院内代表は、大統領府の報告漏れ事件の調査に対し『安保自傷(行為)』と主張した。

 むしろ大統領府の処置が韓米関係にプラスになるという指摘もある。コリア研究院のキム・チャンス院長は「国内手続き的正当性を確固たるものにすれば、責任を明確にすることができるため、対外協力を強化する根拠になる」と話した。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/797252.html 韓国語原文入力:2017-06-01 23:30
訳H.J(1476字)

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