文在寅(ムン・ジェイン)大統領が30日、THAAD(高高度防衛ミサイル)の発射台4基が秘密裏に韓国国内に搬入され、慶尚北道星州(ソンジュ)敷地の近く米軍基地に保管されている事実を確認し、国防部の報告漏れの経緯などに対する真相把握を大統領府国家安保室と民政首席室に指示した。国防部の報告漏れを、黙過しがたい国の綱紀を乱す行為と規定しているという意味で、真相調査結果によって軍と国防部に対する強力な人的清算と改革措置が取られるという観測が出ている。
ユン・ヨンチャン大統領府国民疎通秘書官はこの日のブリーフィングで「文大統領は星州にすでに設置されたTHAAD発射台2基のほか4基の発射台が非公開で韓国に追加搬入され保管されているという事実の報告を受けた」とし、「文大統領は、発射台4基が追加搬入された経緯について徹底的に真相を調査することを民政首席と安保室長に指示した」と明らかにした。ユン首席は「大統領がチョン・ウィヨン国家安保室長から昨日(29日)この報告を受け、『非常に衝撃的』だと述べ、ハン・ミング国防長官に今日電話をかけ、発射台4基がすでに国内に搬入された事実を直接確認した」と付け加えた。国防部は25日、国政企画諮問委員会に業務報告をしながらもTHAAD発射台追加搬入の事実を報告しなかったとユン首席は伝えた。そして、「どのような経緯で4基が追加搬入されたのか、搬入決定は誰がし、なぜ国民に公開せず、次期政権にも今まで報告しなかったのかなどを調査せよというのが文大統領の指示」と説明した。文大統領は、国防部がTHAAD追加搬入の事実を公表しなかった理由は星州のTHAAD敷地に対する環境アセスメントを回避するための目的ではないかも注視することを指示したと、ユン首席は付け加えた。
大統領府は4基のTHAAD発射台が新政府発足前に国内に持ち込まれ、星州の敷地近くの米軍基地に保管されているものと把握している。これに先立ち一部メディアでは、大統領選挙前の4月末、THAAD砲台を構成する発射台6基が国内に持ち込まれ、2基は星州の敷地に配置され、残りの4期は米軍基地に保管中という事実が報道されている。これと関連しユン首席は「4基が入ってきただろうというのは推定だけだった。それに関するいかなる事実も公式的に確認されたものではなかった」と話した。
これに対し国防部関係者は「THAAD発射台の追加搬入の事実を25日の国政企画委員会の報告時に言わなかった。国政企画委員会には(作戦事項を除いた)THAAD関連一般事項だけを報告し、翌日の26日、国防部政策室長がチョン・ウィヨン大統領府国家安保室長に関連事実を報告した」と明らかにした。しかし大統領府は「チョン・ウィヨン室長も国政企画委員会もTHAADの4基の追加配備に関する内容の報告を受けたことがない。26日、国防部政策室長の報告書にも関連する内容はない」と明らかにした。ユン首席は「(文大統領)就任から20日が過ぎた状況でも(THAAD追加搬入事実が)新しい政府の誰にも報告されたり共有されたことがない」と話した。