閉塞していた南北民間交流の風穴が開いた。政府は26日、対北朝鮮人道支援団体である「我が民族助け合い運動」(以下我が民族)の北朝鮮住民接触申請を承認したと発表した。国内民間団体の対北朝鮮接触が承認されたのは昨年1月、北朝鮮の4回目の核実験以後、今回が初めてだ。
統一部のイ・ユジン副報道官は同日のブリーフィングで「政府は、北朝鮮の挑発には断固として対応すると共に、人道支援など民間交流は、国際社会の対北朝鮮制裁の枠組みを損なわない範囲内で、柔軟に検討していく」とし、「このような立場に基づき、民間団体『我が民族』が国境地域のマラリア予防などに向けた人道的協議のため提出した北朝鮮住民接触申請を承認した」と明らかにした。彼はさらに、「今後、訪朝および物資搬出申請があった場合は、接触承認とは別の問題であるため、訪朝人員や搬出物品の内訳、南北関係の状況と身辺の安全などを総合的に考慮して検討すべき事案」だと述べた。
同団体以外にも北朝鮮の子どもを対象に保健・栄養・教育支援事業を行ってきた「子どもオッケドンム」をはじめ、文在寅(ムン・ジェイン)大統領就任を前後に20あまりの団体が統一部に対北朝鮮接触を申請したという。
同日、統一部は民間交流の拡大を含む南北関係改善案と離散家族再会など人道主義的問題、北朝鮮核・ミサイルの解決策など、主要懸案について国政企画諮問委員会で報告した。統一部は、文在寅大統領の核心公約の一つである「朝鮮半島の新経済指導構想」に重点を置いて業務報告をしたという。「新経済指導構想」は、文大統領が新政治民主連合代表時代だった2015年8月に打ち出したビジョンで、北朝鮮と大陸に向けた経済圏拡大の推進▽6カ国協議の再開に向けた南北・朝米2+2会談の提案▽5・24措置の解除および金剛山(クムガンサン)観光の再開などの内容を盛り込んでいる。