国際人権団体が文在寅(ムン・ジェイン)大統領に農業者のペク・ナムギ氏死亡事件に対する捜査を求めた。
「人権と開発に向けたアジアフォーラム」(フォーラムアジア)は11日、声明を発表し「故ペク・ナムギ氏の死について、徹底的かつ独立的で公正な捜査を行うことを要求する」としたうえで、「これをきちんと遂行できなければ、韓国の人権に対する信頼は低下することになるだろう」と明らかにした。さらに、「朴槿恵(パク・クネ)政権はペク・ナムギ氏事件について調査するどころか、謝罪もしなかった。文在寅大統領はこれを正し、韓国が人権を守護し保護してきた国というイメージを回復する機会にすべきだ」と主張した。
この団体は「国家権力による過度な公権力の行使は直ちにそして独立的に調査されなければならない」とし、「公権力が2015年11月の集会参加者たちに向かって無差別的で不当に放水銃を使用したのは、国際人権基準に反したもの」だと主張した。また、「新しい政府がどのように人権問題に取り組むのかによって、文大統領の在任期間中に人権基調を構築できるかどうかが決まる」とし、「ペク氏遺族に公式に謝罪し、公正な調査を通じて責任者を処罰するのが、その立派な出発点になるだろう」と強調した。1991年に設立された同団体はアジア全域58の加盟団体で構成されており、韓国では参与連帯、国際民主連帯などが加盟している。
故ペク・ナムギ氏は2015年11月14日、ソウル広場の周辺で行われた民衆総決起大会で警察の放水銃に倒れ、重体に陥った。ソウル大学病院の集中治療室で317日間にわたり治療を受けたが、昨年9月25日に死亡した。(遺族が)警察の解剖検査に反対して40日以上にわたり葬儀が行われなかったが、警察が解剖検査令状の執行を断念したことで、昨年11月5日に告別式が行われた。