韓国ギャラップが18日から3日間にわたり全国の有権者1004人を対象に実施した大統領選挙候補支持度調査で、共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)候補と国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補の支持度の格差が二桁のポイントに広がった。文在寅候補の支持率は41%、安哲秀候補の支持率は30%で、ギャラップが1週間前に実施した調査に比べ、文候補は1%ポイント上昇したが、安候補は7%ポイント減少した(中央選挙世論調査審議委員会ホームページを参照)。「保守の代案」を求めて安候補に集まった保守性向の浮動層と、安候補の「穏健改革」イメージに好感を持っていた「非文在寅」性向中道・進歩層の一部が候補検証とアイデンティティをめぐる議論を経て、支持を撤回した結果と見られる。
安候補支持層の離脱は、地域別では保守性向が明確だった慶尚道と忠清圏で目立った。自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補の支持率を18%ポイント(8→26%)も引き上げた大邱(テグ)・慶尚北道で、安候補の支持率は1週間で25%ポイント(48→23%)が減り、大田(テジョン)・忠清でも13%ポイント(42→29%)が下落した。有権者が多い首都圏でも不振が続き、ソウルで2%ポイント(36→34%)、仁川(インチョン)・京畿でも10%ポイント(38→28%)下がった。同期間、文在寅候補はソウルと慶尚圏を除いた残りの地域で支持率を引き上げた。特に、大田・忠清道(39→46%)と全羅道(47→51%)地域における上昇幅が相対的に大きかった。
年代別に見ても、両候補の明暗がはっきりと分かれた。安候補はすべての年齢層で支持度が落ちた。特に50代(51→40%)と60代以上(53→44%)からの離脱が多かった。相対的に中道・保守性向が強い年齢層だ。その次に下落幅が大きかった年齢層は20代(22→16%)と40代(29→25%)、30代(22→19%)の順だった。一方、文候補は20代(48→53%)と60代以上(11→17%)で上昇傾向が目立ち、30代(65→61%)と40代(56→54%)では小幅に下落した。
ハンギョレ大統領選挙政策諮問委員のユン・ヒウン「オピニオンライブ世論分析センター」長は「安哲秀候補が検証とテレビ討論を経て、支持層の防衛に苦戦している。進歩・中道性向の支持層の一部が浮動層に転じ、保守性向の支持層は選挙運動が本格化してから浮動層になったか、洪準杓候補に復帰したものとみられる」と分析した。支持層の結集力と忠誠度が弱い安候補が、支持率の管理に限界を露呈し始めたということだ。
安候補側は「当初の戦略は『4月20日までに30%に到達すればいい』ということだった」とし、最近の支持率下落を打撃ととらえない様子だ。予想より支持率が早く上がって「調整期」を経ているだけで、選挙の最終段階に入ると「候補の競争力」に対する判断が再び行われると見ている。国民の党選挙対策委員会のキム・ソンシク戦略本部長は電話取材に対し「選挙過程で(他の候補たちの)共同攻撃に遭うことは予想していた。これから“未来”と“統合”、リーダーシップなどに対する検証を通じて「ゴールデンクロス」(株価や取引量の短期移動平均線が長期移動平均線を突破する現象)が進むだろう」と説明した。しかし、党内では保守・進歩両方に向けた「同時求愛」戦略が限界を露呈したとの声も上がっている。国民の党の関係者は「選挙戦略を組むときに『中道を基盤に支持を広げるか、保守を基盤に支持を広げるか』をめぐる議論が行われたが、基盤自体が脆弱というのが問題」だと話した。