国家情報院の民間非公式組織「アルファチーム」のリーダーのキム・ソンウク氏が代表を務める右派団体「韓国自由連合」の設立に国家情報院が積極的に介入し支援した事実が把握された。ポータルサイト「ダウム」のカフェ(掲示板)の会員たちを中心としたゆるいグループを法人に格上げし、進歩派の個人や団体に対する批判や各種のデモに組織的に動員しようとしたと見られる。
2008年12月から2009年4月までアルファチームで活動したK氏が『週刊ハンギョレ21』に提供した資料によると、キム代表は2009年3月にアルファチーム員に送った電子メールで「学校側と協議した」とし、「任意団体を設立した後、任意団体名義で毎月、左翼追跡情報誌(例.毎月、民主化補償審議委員会、人権委、チン・ジュングォン氏、カン・ギガプ氏などテーマ別集中批判など)を制作し委託の形で決済することにした。今後、任意団体が1人デモ、記者会見など人員動員に乗り出すときも支援する」と明らかにした。ここで「学校」とは、アルファチームで使用した国家情報院を意味する隠語だ。
アルファチームのリーダーだったキム代表はさらに、「仕事が始まれば皆さん一人一人に業務を分掌し、以前に準ずる報賞と、これまで以上に充実し陽性な仕事ができるように推進する計画だ」とし、「まず急務なのは任意団体の設立だが、アジア自由連合(Asian Liberty Union. ALU)、または韓国自由連合(Kores Liberty Union. KLU)という名称を考えている」と伝えた。また、「左翼追跡情報誌は私がやってきたことなので大して難しいことはないだろう」とし、「とにかく急ぐべきは任意団体の設立」だと団体の設立を重ねて強調・督励した。
これに先立つ2008年12月のアルファチーム内での電子メールを見ると、当初彼らは国家情報院に「右派青年・大学生の育成」などの事業を提案し、2月から本格的に推進されるものと予想されていたことが分かっている。しかし、約3カ月たって国家情報院が、団体を設立し「情報誌」形態の世論工作事業を定例化することを逆提案したものとみられる。以降、アルファチームの団体設立計画は、別途の任意団体の設立とそれまで活動してきた右派の青年グループである「無限前進」の法人化が二つの軸として成されたものと見られる。キム・ソンウクが代表を務めていた「無限前進」は「盧武鉉(ノ・ムヒョン)弾劾賛成」ダウムカフェの会員たちを主軸に作られた右派活動団体で、2004年の「4大悪法反対集会」と2007年の「平澤(ピョンテク)米軍基地拡張反対集会」などに乱入し、暴力を行使した「青年アスファルト右派」の元祖格団体だ。キム代表は「無限前進を法人化する事業も進行中だが、(新たにつくる団体と)同じ団体に統合するつもりだ」と明らかにしたこともある。実際、キム代表とアルファチームは、無限前進の会員引継ぎを通じて極右性向のキリスト教青年団体「韓国自由連合」を創設し、2010年1月に社団法人として初の公式行事を行った。
アルファチームのメンバーだったK氏は「国家情報院の目的は我々を通じた世論糊塗であり、私たちの目的は、学校(国家情報院)の力を借りて法人化し政治勢力化することだった」と明らかにした。