セウォル号の至難な旅程がとうとう終わった。惨事が起きてから1091日、木浦(モクポ)新港に到着してから11日目だ。セウォル号引き揚げの最後の段階である陸上据え置き作業まで終わり、9人の未収拾者の収拾と真相究明作業も本格的な軌道に乗った。
海洋水産部は11日、「午後3時58分、セウォル号を陸上に据え置き、2015年8月7日に作業に着手してから613日で引き揚げ作業を完了した」と明らかにした。海水部はこの日午前10時20分に傾きがない状態でセウォル号の船体を110メートルの長さの台3つの上に乗せることに成功した。その後、午後4時までに合わせて600台のモジュールトランスポーター(MT)を船体の下から引き抜き、引き揚げを完了した。早ければこの日朝9時に据え置き作業が終わると予想されたが、作業の過程で泥の除去作業などにより時間がかかり、(予定より)遅れたという。
引き揚げが終わり、未収拾者の収拾と真相究明作業も加速化することになった。12日からは本格的な船体外部洗浄作業が始まる。3年間海につかっていた間に脆弱になった船体が、陸に上った後空気と接触して腐食が急速に進む恐れがあるからだ。
前日までセウォル号の船体外部の洗浄のために高圧洗浄機6台を動員し、試験作動まで終えた海水部は、捜索員らの安全を確保するために船体内部の防疫と危害度・安定性検査を行うことにした。船体整備と収拾作業を受け持つコリアサルベージ側は、捜索員の船体進入のためにセウォル号の船首・船尾に1台ずつ計2つの「進入欄干」(ワーキングタワー)を設置する予定だ。仰向けになっている船体の右舷には、作業者らが足をつけて往来できるように船体から約1メートルの高さの上に通路足場も設置される。海水部はセウォル号の上から下の方に進入する方法だけでなく、船体側面や下の方からも作業者らが入って捜索できるように、出入口を作る案を船体調査委と議論する予定だと明らかにした。現在、左側に横たわったセウォル号は垂直の高さだけで22メートルであり、マンション9階の高さに相当する。
未収拾者の収拾に向けたこうした事前処置には、約1週間が要される見込みだ。海水部は「引き揚げが完了し、未収拾者のご家族のみなさんは速やかな捜索を要請している。事前作業を経て、早ければ来週初めまでに精巧な捜索計画を立てたい」と明らかにした。
未収拾者の家族はこの日、「一日でも早く捜索が行われなければならない」と、キム・ヨンソク海洋水産部長官、キム・チャンジュン船体調査委員長、リュ・チャンヨル・コリアサルベージ代表などとの面談を要請した。檀園高校のウンファさんの父親のチョ・ナムソンさん(54)は「客室の区分すら難しい船体内部写真を見てびっくりした。追加の移動が難しいほど船体がしなってよじれていたというから心配だ。進入がさらに危険になる前に、捜索を急がなければならない」と話した。ヤン・スンジン教師の妻のユ・ベクヒョンさん(54)は「船尾の方の鉄板が赤くさびていて胸が痛む。客室内部に廃棄物が山ほど積まれ、換気も難しいのに、気温まで上がったら大変だ」とため息をついた。