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[ルポ]黄色く染まった「木浦の涙」

登録:2017-04-03 04:38 修正:2017-04-03 07:21
木浦新港、セウォル号の追悼の波 
一日1万人の追悼の人が訪れ 
「家族のもとに必ず戻って来て…」 
行方不明者の家族「市民の応援に支えられている」
今月2日午後、セウォル号が移された全羅南道木浦新港の前で、木浦市民らがセウォル号の行方不明者の遺体の早期捜索を祈願し犠牲者を忘れないという意味で黄色の傘を広げて「会いたい」との文字を作るパフォーマンスをしている=木浦/共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 セウォル号を迎えた全羅南道木浦の至る所が黄色に染まっている。

 木浦市民たちは先月31日にセウォル号が木浦(モクポ)新港に到着したことを受けて、予定されていた春の花祭りを取り消し、街中に黄色い旗を掲げ、胸には黄色いバッジをつけた。西海岸高速道路で、木浦新港埠頭に行く6車線の上下通り7.7キロメートルには、約1000個の横断幕とバナーが設置された。自動車専用道路の木浦大橋にも黄色いリボン約200本が飾られ、遠くに船体が見える木浦新港の垣根は、3万本を超える黄色いリボンで埋め尽くされた。波のように揺れる黄色い旗越しに、木浦の象徴である儒達山(ユダルサン)もレンギョウを見事に咲かせていた。

 木浦地域の40以上の市民団体は「セウォル号を忘れない木浦地域共同実践会議」を発足させ、市民の参加を促す追悼ムードを率いている。彼らは2日午後3時、木浦新港垣根の前で「恋しい、会いたい」をテーマに追悼集会を開いた。1千人を超える参加者たちは、黄色い傘で「人が何より大切」という字を作って、行方不明者の帰還を願う人間の鎖をつなげた。さらに同日午後5時から2時間にわたり、木浦駅からターミナルまで3.4キロメートルを歩く街頭行進を行った。彼らは、セウォル号惨事の収拾が完了するまで、週末にセウォル号を記憶する文化行事を開く予定だ。

今月2日午後、セウォル号が停泊している木浦市内のいたるところに、セウォル号惨事の犠牲者を追悼する黄色い垂れ幕がかかっている=木浦/シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 セウォル号の追悼には進歩と保守、団体と個人の違いはなかった。横断幕のなかには「最後の一人まで待っています」という市民ハン・ボンチョル氏などの個人だけでなく、三鶴洞(サムハクトン)長議会、萬戸洞(マンホドン)住民自治委員会、木浦北港商人会、木浦水産業協同組合など各種団体の名前が書かれていた。市民団体はミネラルウォーターや海苔巻き、ラーメン、お茶、お餅、薬などを持って遺家族たちのテントを訪れた。

 若年層は積極的に現場でボランティア活動に乗り出した。黄色いリボンを配っていたチョン・サランさん(11・連山小学4)は「母に苦しい人々を助けなければならないと教えられた。準備したリボンが無くなって心配だ」と話した。友達のチョ・アヒョンさん(11・連山小学4)さんは「帰ってこられなかったお姉さん、お兄さんのことを考えると涙が出る。早く家族のもとに戻ってきてほしい」と言いながら目を潤ませた。木浦市民のキム・エスンさん(45)は「かわいそうで残念だ。待つ親は胸が締め付けられる思いだろう。行方不明者の遺体が戻ってくる日まで力になる」と誓った。チョン・テグァン木浦文化連帯代表は「このような市民の気持ちを知らないかのように、海洋水産部が木浦新港の焼香所の設置に反対している。必ずセウォル号が見える場所に焼香所を設置し、犠牲者を追悼して行方不明者を待ちたい」と明らかにした。遺体がまだ見つからない檀園高生徒のホ・ダユンさんの母親、パク・ウンミさん(48)は「木浦市民たちが、自分のことのように考えてくれて感謝している。娘が私のもとに戻ってくるまで市民の応援を信じて待つ」と話した。

 黄色いリボンがはためいている木浦新港周辺には、1日平均1万人以上が訪れて、セウォル号の船体を眺めながらため息をついた。木浦市は、木浦駅・ターミナル~木浦新港を結ぶ循環バス12台を配車し、追悼客に無料で提供している。木浦市は国民的哀悼の雰囲気を考慮し、今月8~9日に予定していた「花咲く儒達山祭り」を取り消した。市は「木浦を崇高な人間愛のあふれる愛の都市、治癒の都市にしよう」と市民たちに呼びかけた。また、市のホームページに訪問客の案内ページを設けて、敬けんな心でセウォル号のバッジをつけようと呼びかけている。木浦を訪れたキム・ビョンイルさん(47・光州広域市)は「市内のいたるところに黄色い旗がなびくのを見て、木浦は暖かい都市だと思った。木浦が珍島(チンド)彭木(ペンモク)港のようにセウォル号を記憶する空間になりそうだ」と話した。

木浦/アン・グァンオク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/789002.html 韓国語原文入力:2017-04-02 20:38
訳H.J(2031字)

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