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「統一後、南北つなぐ人材が必要」教育部、脱北学生への支援を強化

登録:2017-03-24 00:05 修正:2017-03-24 08:04
三竹小学校、韓民族中高校などへの支援を強化 
韓国語教育及び職業教育 
精神的な安定ため、心理相談士も配置
昨年10月、京畿道安城市三竹面にある脱北者収容教育施設のハナ院で国政監査が開かれ、国会外交通商委員会の委員らが教育施設を見学している=国会写真記者団//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮出身の母と中国人の父親を持つ脱北学生のKさんは、中国で生まれて小学校5年生まで中国で暮らした。K君の母国語は中国語で、難聴による学習障害に悩まされている。Kさんはまだ韓国語がうまくしゃべれず、萎縮しているものの、学習には非常に積極的だ。Kさんの夢は、韓国-北朝鮮-中国の架け橋の役割を果たす外交官になることだ。学校は担任教師によるメンタリングでKさんの心理的不安感を解消し、同年代との関係回復を支援した。担任教師はKさんが難聴であることを教科教諭に知らせ、英語の聞き取り評価の際には独立試験室を利用できるように要請すると共に、授業では前の席に座れるように協議した。(脱北学生メンタリング指導事例集より)

 政府は小中高校に脱北学生が増加したことを受け、彼らが統合された社会の一員として適応できるよう、支援を強化することにした。教育部は23日「2017年脱北学生教育支援事業計画」を発表し、1年間で特別交付金42億1500万ウォン(約4億1800万円)を投入し、市道教育庁と脱北青少年教育支援センターなどの脱北学生の教育支援を強化することにした。

 脱北学生の教育ルートを見てみると、入国初期には京畿道安城(アンソン)三竹小学校(幼稚園併設)やハナ院内の一二学校(中学)に通っており、転換期には韓民族中高校(特性化中高校)に、定着期には一般小中高校やオルタナティブスクール(黎明学校、空の夢学校)に通っている。教育部は教育ルート別に弱点を把握し、学生一人ひとりに合わせた教育を拡大することにした。北朝鮮ではなく中国など第3国で生まれた脱北生徒が全体脱北学生の52%を占めるだけに、特に韓国語教育を強化することにした。入国の初期の脱北生徒らに韓国語を教育するため、三竹小学校に中国語が可能な韓国語教育講師を追加配置し、一二学校には中国語教師を新規派遣することにした。北朝鮮ではなく第3国で生まれた脱北学生の数は、708人(2012年)→979人(2014年)→1317人(2016年)と、徐々に増えている。

 また、脱北学生の精神的安定のための支援や職業教育も強化することにした。韓民族中高校に専門心理カウンセラーを配置し、生徒らが脱北の過程で経験した不安感や家族と離れている孤独感、韓国社会への適応過程におけるストレスなどを治癒できるプログラムを強化することにした。また、脱北学生らの資格取得など、就職で競争力を持てるよう、特性化高校の韓民族高校では職業教育プログラム数を増やすことにした。現在韓民族高校には、パリスタや重機、エステ、製菓製パンなど、6つの分野の職業教育プログラムがあるが、溶接や自動車整備、3Dプリンターなど3つの分野を追加することにした。

 韓国に入国した脱北生徒の数は1417人(2010年)→1992人(2012年)→2183人(2014年)→2517人(2016年)へと次第に増えている。彼らは主にソウル(24.9%)、京畿(28.7%)、仁川(9.3%)などで主に暮らしており、脱北学生の52%は北朝鮮ではなく中国及び第3国から韓国に入国したため、韓国語能力が十分ではない。教育部学生福祉政策は「来るべき統一の時代に、南北をつなぐ架け橋の役割を果たせるよう、脱北の学生が各界各層で優れた人材に成長するよう支援する」と話した。

キム・ミヒャン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/787668.html 韓国語原文入力:2017-03-23 14:19
訳H.J(1691字)

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