憲法裁判官8人は、朴槿恵(パク・クネ)大統領に対する弾劾審判を翌日に控えた9日午後にも評議を開いた。同日、弾劾反対集会が一日中開かれ、警察が憲法裁の周辺に車壁を設けるなど、いつもより憲法裁の外は騒がしかったが、裁判官らは最終決定文の調整に集中した。
憲法裁所長権限代行であるイ・ジョンミ裁判官など8人は、同日午前出勤する際にも沈黙を守った。先月27日、最終弁論後、6回の評議を開いた裁判官たちは同日もいつもどおりの評議を開いた。8日の判決日を10日に指定し、裁判官各自が心証は固めたものの、最終表決の過程である「評決」を開いたかどうかは確認されなかった。憲法裁は宣告を控えた敏感な状況を考慮し、評議と評決を行ったかどうかを公式に明らかにしなかった。
保安などの問題のため、憲法裁が、統合進歩党の政党解散審判判決のように、宣告の30分ほど前に評決をする可能性もある。憲法研究官出身のソウル大法科大学院のチョン・ジョンイク教授は「今回の事件は決定文に盛り込まれる一つひとつの言葉が重要なだけに、裁判官らが文言を慎重に整えているだろう。裁判官らの意見がきちんと反映されたかどうかも厳しく検討しているだろう」と話した。一般的に憲法裁の決定文は、主審裁判官が多数意見である場合は主審裁判官が、少数意見の時は多数意見を出した裁判官の一人が執筆する。
10日午前11時、憲法裁の大審判廷で開かれる朴大統領弾劾審判の宣告で、決定文は裁判長であるイ・ジョンミ裁判官が朗読するものと見られる。ただ、少数意見があるなら、少数意見を出した裁判官が当該部分を読むこともあり得る。最も重要な主文(結論)は、盧大統領弾劾審判と統合進歩党の政党解散審判のように、最後に読む可能性が高い。2004年、盧大統領の弾劾審判判決の際にはユン・ヨンチョル当時憲法裁所長が「決定を宣告する」という言葉で口火を切り、「この事件の審判請求を棄却する」という主文で締めくくるまで、26分間にわたり決定文を読んだ。朴大統領の弾劾審判は盧大統領弾劾審判の時より争点が多く、これよりもさらに時間がかかるものとみられる。2014年の政党解散審判宣告日にはパク・ハンチョル当時憲法裁所長が36分間にわたり決定文を朗読し、「被請求人の統合進歩党を解散する」で主文を締めくくった。憲法裁が判決文を朗読し終わってから、朴大統領弾劾審判の宣告効力を発揮することになる。朴大統領の弾劾審判の宣告に対する国民的関心を反映しているかのように、24席の一般傍聴の申請に一万9096人の応募が殺到し、競争率は約800対1だった。