北朝鮮は6日、相次いでミサイル4発を発射し、昨年末から今年初めまで続いた“ミサイル示威の休止期”が終わったことをもう一度明確に示した。
北朝鮮は昨年10月20日、ムスダンミサイル発射を最後にしばらくミサイルを通じた武力誇示を行わなかった。昨年、毎月1~4回ずつ撃ったことからすると、比較的長い休止期だった。この期間は米大統領選挙が終盤に至った時期からドナルド・トランプ政権の発足以降まで続いた。新しい米政府の対北朝鮮政策再検討の過程を見守るという“静観の構え”と見られてきた。
北朝鮮がまたミサイル発射に乗り出したのは、先月12日だ。4カ月以上にわたる前例になく長く続いていた沈黙を破ったのだ。今回の発射はそれから2回目のミサイル発射だ。しかし、先月12日の発射が「北極星-2型」という新しいミサイルの“試験発射”に焦点が当てられているのに比べ、今回の発射は従来のミサイルの“発射訓練”の側面が大きい。慶南大学極東問題研究所のキム・ドンヨブ教授は「新型ミサイルを試験発射しているのなら4発も発射したりはしない。従来のミサイルを冬季訓練を兼ねて韓米合同訓示園主に対抗するために発射した可能性が高い」と話した。北朝鮮が積極的にミサイルを発射していた過去のパターンに戻る可能性を示したものと言える。
北朝鮮は今回のミサイルを高角ではなく、正常の角度で発射したとみられる。通常、正常な軌跡を描くミサイルの高度は交差点の3分の1~4分の1だ。今回のミサイルの飛行距離1000キロメートル、飛行高度260キロメートルは正常発射の際に出る数値と大体一致する。北朝鮮ミサイルのうち正常発射した際に1000キロメートルほど飛行できるのは、ノドンミサイルとスカッドER(射程距離拡張型)などだ。最大射程距離が3000キロメートル前後と推定されるムスダンも、燃料を減らして飛行距離を1000キロメートルにすることもできるが、昨年8発を発射して1発だけが成功した前例からすると、可能性はそれほど高くない。
軍当局の発表によると、ミサイル4発は10分以内に相次いで発射された。これらのミサイルはいずれも平安北道東倉里(トンチャン二)一帯から東海へと、方位角75度~93度の間で若干異なる方向へ飛んで行き落下した。落下地点は日本の防空識別圏(JADIZ)の東側300キロメートルの海域(北海道から西260キロメートルの海域)だ。また、これらのミサイルは発射2分後の7時36分、イージス艦・世宗大王艦と弾道弾早期警報レーダー「グリーンパイン」に初めて捉えられた。軍当局者は「地球は球体であるため、ミサイルが発射されてから水平線や地平線上に浮かぶまで2分はかかる」と話した。
米国務省は5日(現地時間)、北朝鮮の弾道ミサイルの発射が、国連安全保障理事会決議を違反したものだと糾弾した。国務省のマーク・トナー報道官代行は同日、ハンギョレの論評要請に「米国は北朝鮮の弾道ミサイルの発射を強く糾弾する」とし、「これは弾道ミサイルの技術を利用したいかなる発射も禁止する国連安保理決議を明確に違反した」と述べた。彼はさらに、「私たちは、すべての国が可能な影響力のあるチャンネルと手段を動員し、北朝鮮とその助力者らに追加の挑発は容認できないという点を明らかにし、北朝鮮の違法行動には代価が伴うことを示す措置を取ることを望む」と求めた。
日本も敏感な反応を見せた。安倍晋三首相は同日午前、首相官邸で記者団に「北朝鮮が発射したミサイル(の一部が)日本の排他的経済水域(EEZ)付近に落下した」とし、「北朝鮮に厳重に抗議する」と述べた。安倍首相は「今回の弾道ミサイル発射は、北朝鮮が新たな脅威になったという点を明確に示したもの」だとしたうえで、「重大な関心を持って分析している」と明らかにした。安倍首相は日本の国家安全保障会議(NSC)を開いた。菅義偉・官房長官も別に記者会見を開き、「日本政府は首相官邸に危機管理センターを設置して北朝鮮情勢に関する情報を集約し、関係省庁幹部会議を開き、(北朝鮮のミサイル発射に)対応する」と明らかにした。
中国は北朝鮮のミサイル発射に反対しながらも、関係国の自制を求めた。外交部の耿爽報道官は定例会見で「朝鮮(北朝鮮)のミサイル開発については、国連安保理の明確な規定がある。中国は朝鮮が安保理決議を違反してミサイルを発射することに反対する」としたうえで、「現在、米韓が朝鮮に向けて大規模合同軍事演習を行っているのも、中国は注意深く見ている。関連各国は自制を維持し、緊張を高める行為を慎むことを望む」と述べた。