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ウ・ビョンウの不正捜査担当検察、通話内訳すら照会せず

登録:2017-03-03 15:44 修正:2017-03-03 16:54
当時の特捜チーム、職務不履行 •温情捜査の疑惑
捜査のABC … 検察内部でも「理解できない」との反応
「検察幹部保護のため故意に省略した可能性」との指摘も
ウ・ビョンウ前大統領府民政首席秘書官が去る2月18日午前、職権乱用と職務怠慢の疑いでソウル江南区大峙洞パク・ヨンス特検事務室に出頭しエレベーターに乗るところ=カン・チャングァン記者 //ハンギョレ新聞社

 ウ・ビョンウ前大統領府民政首席の不正疑惑捜査のために去年 8月立ち上げられた検察の特別捜査チーム(チーム長ユン・ガブクン)が、ウ前首席の「通話内訳照会」をしなかったことがこの 2日確認された。捜査の最も基本的な手続きを省略したもので、検察がウ前首席に対して事実上“温情捜査”をしたという指摘が出ている。

 検察などに対する取材結果を総合すれば、去年 8月イ・ソクス当時大統領府特別監察官の捜査依頼で構成された検察の特別捜査チームは、捜査を終了した去年12月までの4カ月間、ウ前首席の通話内訳照会を全くしなかった。 通話内訳照会は犯罪容疑者の動線と事件の構造などを把握することができるため、検察・警察などが捜査開始に当たって最初に取る手続きであるにも拘らず、これを省略したまま捜査をしたのだ。 捜査対象の中にはウ前首席が 2015年 2月機動警察に入隊した息子が良い補職を受けられるように警察に影響力を行使した疑いもあって、通話内訳照会が絶対必要な状況であった。

 これについて当時捜査チーム長だったユン・ガブクン大邱高等検察庁長はこの日ハンギョレの電話取材で「通話内訳照会の有無については確認してあげられない。記憶も定かでなく、検察がすぐ捜査することになる内容なので話すのは適切でない」と答えた。 当時捜査チームの代弁人を務めたイ・ホンサン水原地検次長は「ウ前首席の個人的不正が捜査対象なので、敢えて通話内訳照会をする必要まではないと判断した」と述べた。 彼は「ウ前首席の息子の補職特恵疑惑」に関しては「当該事件が通話内訳照会期間の 1年を越えた状態だったので照会しなかった」と答えた。 ウ前首席息子は入隊5カ月目の 2015年 7月、ソウル警察庁次長の運転兵に補職を移して特恵疑惑を招いた。

 また、捜査チームは去年 8月29日に実施したウ前首席に対する押収捜索でも、彼の自宅はもちろん携帯電話や事務室などを押収捜索せず、“手抜き捜査”という批判を受けた。捜査チームは同じ日に押収捜索を行なったイ・ソクス特別監察官に対しては、携帯電話と事務室などを全て押収捜索している。 ウ前首席の家族の会社 ㈱チョンガンの横領疑惑、機動警察勤務中だった息子の「補職特恵」疑惑、ネクソンとの賄賂性不動産取り引き疑惑などを調査した捜査チームは、結局何の結論も出せないまま去年 12月末うやむやな状態で解散した。

 検察内部でさえ、通話内訳照会をしないのは理解できないという反応が多い。 ある検察関係者は「通話内訳照会は捜査のABCに当たる。これを守らないというのは事実上“温情捜査”をしたもの」と言った。また別の検察関係者は「ウ前首席が息子の警察補職疑惑に関して事後にでも警察関係者と通話した可能性もある。当然通話内訳を見るべきだった」と言った。

 特別捜査チームが意図的に通話内訳照会をしなかったことも考えられるという話も出ている。ウ前首席が法務部や最高検察庁、ソウル中央地検など高位幹部と頻繁に連絡を取った可能性が大きい状況で、意図的にこれを照会確認しなかったのではないかということだ。実際、パク・ヨンス特検チームはウ前首席の通話内訳を照会して、彼が去年 7~10月に検察や法務部関係者などと 2000回余り通話し文字メッセージをやり取りした事実を確認した。 また別の検察関係者は「ウ前首席と検察幹部たちとの通話内訳が露わになることを恐れて通話内訳照会をしなかったとすれば、当時の捜査チームは明白に職務不履行に当たる」と指摘した。

チェ・ヒョンジュン、キム・ジョンピル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2017-03-03 05:30

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/784969.html   訳A.K

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