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市民ら「財閥改革の信号弾」と歓迎…特検事務室に花束も

登録:2017-02-18 02:24 修正:2017-02-23 01:29
「特検、ご苦労様。判事は賢明な選択した」市民社会“歓迎” 
「政経癒着・腐敗根絶、財閥改革の信号弾になれること願う」  
経済に悪影響との懸念には「公正社会のために払わなければならない対償」 
今月17日、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長に裁判所が拘束令状を発行したことを受け、ソウル江南区大峙洞の特検事務室の前で市民たちが「ありがとう、特検」などのプラカードを持って特検を応援している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 17日、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長に裁判所が拘束令状を発行したことに対し、市民たちは「新しい社会と歴史へと進む進展」だと歓迎した。

 同日未明5時37分にイ副会長に拘束令状が発行されたというニュースが流れると、雨が降る悪天候にもかかわらず、ソウル瑞草区(ソチョグ)ソウル中央地方裁判所前でイ副会長拘束を求める1泊2日闘争を繰り広げていた市民たちは、「国民が勝った。これから大韓民国も変われる」と歓声を上げた。一部の市民たちはワールドカップ応援の拍子に合わせてホイッスルを吹きながら、「イ・ジェヨン拘束」を叫び続けた。

 朝のニュースを通じてイ副会長の拘束事実を知ったという会社員のチェ・ヨンミンさん(35)は「ニュースを見て驚いた。先日令状が棄却されるなど、サムスンは何か聖域のような感じがあり、今回も棄却されるだろうと思っていたが、“サムスン共和国”という聖域が破られるのではという気がした」と話した。イ・サンチョルさん(82)は「財閥改革の狭き門が開かれるようで、一日中気持ちがよかった。サムスンはもちろん、他の財閥たちも、不法・非倫理経営の鎖を断ち切って、換骨奪胎する契機になるという期待感が生まれた」と話した。

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でも「イ副会長の拘束は韓国社会の前進」という反応が相次いだ。小説家のイ・ウェス氏はフェイスブックに「大韓民国に真の民主主義を花咲かせる信号弾になることを祈ります。太極旗を振りながら弾劾反対を叫ぶ群れ、不正と腐敗を庇護して軽挙妄動をもいとわなかった亡国虫にも厳しい警告になるでしょう」と書いた。詩人のソン・ギョンドン氏は「イ・ジェヨン拘束。当たり前のこと。新しい社会と歴史へと進むもう一度の前進になることを願う。財閥解体」という書き込みを残した。ソウル大学のチョ・グク法学大学院教授は「サムスン創業後、初めてのトップ拘束。特検、ご苦労様。 判事は賢明な選択をした。慢性的な政経癒着の根を断ち切るきっかけになるように。不法と不正に基づく経営は終わらせるべき」との文を掲載した。

 市民社会団体の歓迎声明も続いた。「朴槿恵政権退陣のための非常国民行動」は「イ・ジェヨン拘束令状の発行を歓迎する。イ・ジェヨンに対する拘束令状は断罪の敷居を飛び越え、崩れた国格を立て直すことだ。財閥改革の信号弾」だと発表した。「参与連帯」も論評を通じて「イ副会長の拘束は『朴槿恵(パク・クネ)-チェ・スンシルゲート』と関連して被害者のふりをしてきた財閥の大手企業が、事実は莫大な利益を得た可能性を示している」としたうえで、「今回の事態の真相を徹底的に究明し、自由で公正な新しい社会経済体制を定着させるきっかけにすべき」だと明らかにした。「経済正義実践市民連合」(経実連)も声明を出して「イ副会長の拘束に対する裁判所の判断は賄賂罪など重大な犯罪に対する当然の結果」だとしたうえで、「イ副会長の拘束を政経癒着と腐敗根絶、財閥改革の契機にすべきだ。サムスンは反省して所有支配構造を改善し、国民に尊敬される企業に生まれ変わらなければならない」と明らかにした。民主労総も声明を通じて「(創業以来)79年間治外法権が与えられていたサムスンは、政経癒着と有銭無罪汚辱の歴史を恥じるべきだ」とし、「イ・ジェヨンの拘束は、財閥と権力の隠密な癒着の歴史を清算する信号弾にならなければならない」と主張した。

朴槿恵大統領(左)とサムスン電子のイ・ジェヨン副会長が2015年5月7日、京畿道平沢市の高徳面高徳国際化計画地区内のサムスン電子半導体平沢団地の起工式に出席して話を交わしている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 イ副会長の拘束が朴槿恵大統領の賄賂罪の容疑と直結されるとの声もあがった。チョ・グク教授は「刑法からすると、賄賂罪は『必要的共犯』として贈った者よりももらった者の違法性がより高いと評価される。贈った者であるイ・ジェヨンが拘束された。ならば、もらった者である朴槿恵をどうすればいいだろうか?」と書いた。

 イ副会長の拘束が経済に否定的な影響を及ぼしかねないという憂慮について「韓国社会が支払わなければならない費用」という反応も出た。延世大学社会学科のキム・ホギ教授は、フェイスブックに「イ副会長の拘束がもたらす経済的影響について心配する人がいる。しかし、その影響が短期的にある程度の費用を支払わせるものだとしても、長期的に公正な市場秩序を作ることに肯定的な効果をもたらせる。さらに、民主主義国家で公正としての正義の具現に優先する価値はないという点で、韓国社会の成熟にもう一つの重要な契機になるだろう」と書いた。ツイッターのハンドルネームyswy****は、「大手企業は不道徳なオーナー一族の経営を脱却しなければ、国民企業に生まれ変われない」と書き込んだ。

 油断してはならないという意見も出た。ツイッターのハンドルネームssy2****は、「イ・ジェヨンの拘束は当たり前。油断は禁物。まだ量刑も出ていない。この国の法が寛大であることを忘れてはならない。まだ法の上に朴権力が待ち構えている。最後まで国政を壟断した朴槿惠とチェ・スンシル、財閥企業の紐をゆるめてはいけない。憲法裁と特検は、朴・チェゲートに対する審判で、社会正義の実現に力を入れてほしい」との書き込みを残した。

キム・ギュナム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/783073.html 韓国語原文入力:2017-02-17 11:58
訳H.J(2583字)

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