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潘基文、不出馬宣言後「私はあまりに純粋すぎた」

登録:2017-02-01 23:49 修正:2017-02-02 08:27
「政治家でもないのになぜ来たのかと… 
政治とはこういうものだったか」
潘基文前国連事務総長が1日午後、国会政論館で緊急記者会見を行い、大統領選挙不出馬を宣言した後、かたい表情を浮かべて国会議事堂を後にしている=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 1日、電撃的に大統領選挙出馬をあきらめた潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が、キャンプの仲間たちとの別れのあいさつで、大統領選挙に向けた活動の中で「政界に邪魔され続けた」これまでの所感を率直に明らかにした。

 潘基文キャンプが提供した「報道参考資料」によれば、潘前総長は不出馬宣言の後、事務室で参謀陣と会った席で「皆さんを虚しくさせ、失望させて、とても申し訳ない。今日、夜明けに起きてじっくり考えて悩んだあげくに発表文を作った。重要な決定に際して皆さんとあらかじめ相談できなくてとても申し訳ない。多分ひとりにでも相談したとすれば、引き留められることは明らかだ。これ以上踏み込めば抜け出すことができなくなると考えた」として話を切り出した。

 続けて、政界の生理が自身をひどく疲れさせたと主張した。潘前総長は「純粋で素朴な気持ちから始めたが、あまりに純粋すぎたようだ」として「政治家たちは、ただのひとりも心を開いて率直に語る人はいなかった。政治は政治家に任せておけとも言われた。お前は政治家でもないのに、なぜ出て来たのかとも言われた」と話した。それで「政治とは本当にこういうものだったのか、そんな気がした」と懐疑するようになったという。潘前総長は「政治家たちの目から、人を憎悪する内心が見え、しきりに人の仲を切り裂こうとした」として不快だった心境を表わした。潘前総長は「票を得ようとするなら、自分は保守側だとはっきり言えという要請をあまりにも多く受けた。言ってみれば、保守の消耗品になれということと同じだ。政治家なら陣営を明確にしろと要求した」として「しかし、保守だけのために仕事をする人には大統領になる資格がない。私は保守だが、そうした話は私の良心から受け入れることはできない」と答えた。保守と進歩の両側を全部合わせるという自身の純粋な良心と、票を得るという政界の不純な政略がぶつかって、失敗したという主張だ。

 潘前総長の別れのあいさつに対して、ある参謀は「総長を尊敬してきたが、直接仕えてみて一層尊敬するようになった。短い期間だったが一緒に仕事が出来て光栄だった」と応えたという。「総長のおかげで、政治を変えなければならないという確信を持って、楽しく仕事をしたので後悔はない。総長の会見文が国民に多くのことを考えるようにさせると思う」、「総長が私たちの心に政治交代という種をまいたので、私たちがこれをきちんと育てていく」、「(潘前総長が)政治以外の分野で国の発展のために仕事をされるならば、私たちもずっとお手伝いする」という話が後に続き涙を流す参謀もいたと「報道参考資料」は伝えた。

キム・テギュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/polibar/780916.html 韓国語原文入力:2017-02-01 20:49
訳J.S(1361字)

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