パク・ヨンス特別検察官チームが16日、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長に対して、賄賂供与の疑いなどで事前拘束令状を請求すると見られる。パク特別検察官チームはチェ・スンシル氏所有のドイツの会社である「コレスポーツ」が設立される1カ月前、サムスンの支援を念頭に置いてドイツで馬場契約を結んだ書類も確保したことが明らかになった。
特検のイ・ギュチョル代弁人は15日、定例ブリーフィングで「イ副会長などに事前拘束令状を請求するか否かを決定するため、これまで取り調べた関係者の供述と証拠資料を整理し、当該犯罪法理などを慎重に検討している。事案が複雑で重大な点を考慮して16日午前に結論を下す予定」だと述べた。特検チームはチェ・ジソン未来戦略室長、チャン・チュンギ未来戦略室次長、サムスン電子のパク・サンジン対外担当社長など他の主要役員に対する拘束令状の請求も、イ副会長(の処分)と共に決定されると明らかにした。
当初、特検チームは今月13日のブリーフィングで、「遅くとも15日までに令状の請求可否を決定する」と発表した。このため、イ副会長に対する令状請求時期が先送りされたことをめぐり様々な噂が流れたが、特検チームは「あらゆる事情を考慮しながらも、法と原則を最重視して決定する」と言い切った。実際の令状請求時期が1日先送りされたのは、特別な事情による変更ではなく、事案の重大性を考慮して令状請求前に最後の検討を行うためとされた。特検チームはサムスンがチェ氏所有のドイツの会社と結んだ220億ウォン(約21億4千万円)台の契約とチャン・シホ氏が運営する韓国冬季スポーツ英才センターに16億2600万ウォン(約1億6千万円)を支援したほか、ミル・Kスポーツ財団に204億ウォン(約19億9千万円)を支援したことも、賄賂と見ているという。
特検チームはイ副会長の賄賂供与容疑の立証にかなりの自信を持っているようだ。特検が確保した資料には、サムスン側とチェ氏が互いの存在を知って水面下で取引をした情況が明らかになっているとされる。ここには、国民年金がサムスン・第一(チェイル)毛織の合併への賛成を決定してから5日後の2015年7月15日、チェ氏がドイツのヘッセン州ビブリスにある乗馬場と結んだ契約書も含まれている。当時、チェ氏は本人名義で「イェーガー・ホープ乗馬場」と契約を結び、1年間の使用料として8700万ウォン(約850万円)を支払うことにした。しかし、同年8月26日、サムスンの支援を受けるためのペーパーカンパニー「コレスポーツ」が設立されると同時に、契約の名義をコレスポーツに変えた。特検チームは、チェ氏が(国民年金による)サムスンの合併への賛成が決定された後、サムスンから資金が送金されることを予め知って、ドイツでペーパーカンパニーを設立する前まで本人の名前で事前作業を行ったものと見ている。コレスポーツ関係者は「サムスンとコレスポーツの契約前にドイツで使った金額まで引き出すために、予め本人名義で契約しておいたと聞いている」と話した。