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韓国警察、警察の集会推算人員は今後発表しない

登録:2017-01-13 22:22 修正:2017-01-14 01:40
警察「不必要な論議起こす」 
退陣行動「警察が推算しなくとも問題ない」 
「親朴集会の人員水増しで憲法裁判所に 
影響を及ぼそうとしている」
新年最初の週末だった今月7日、光化門で開かれたろうそく集会。主催側は延べ(累積)60万人、警察は瞬間最多2万4千人と推算した。一方、親朴保守団体の弾劾反対太極旗集会は主催側推算102万人、警察推算3万7千人と明らかにし論議が起きた=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞

 週末ごとに開かれている朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾要求ろうそく集会と、弾劾反対集会の人員集計をめぐって論議が起き、警察は今後自ら推算した人員をマスコミに公開しないことにした。

 ソウル地方警察庁は13日「これまでマスコミに30分または1時間単位で、その時点における殺到人員を公開し、最近では最も多く集まった時に一回だけ公開してきたが、度々混乱が引き起こされて警察推算人員を非公開とすることにした」と報道機関に通知した。非公開方針はイ・チョルソン警察庁長官の最終判断と同じだと明らかにした。これに関連して報道機関との事前協議はなかった。

 警察関係者は「警察の人員推算がますます議論になって、数週間前からは弾劾賛否をめぐって利害関係が相反する団体が同時に集会した結果、どちらの集会参加人員が多いかが論議の中心になっている」と話した。

 新年初の週末だった今月7日、光化門(クァンファムン)ろうそく集会は主催側が延べ(累積)60万人、警察は瞬間最多2万4千人が参加したと推算した。親朴保守団体の弾劾反対太極旗集会は、主催側推算約102万人、警察推算3万7千人だった。ろうそく集会を主催する「朴槿恵政権退陣非常国民行動」(退陣行動)は、実際の集会状況と比較して警察の人員推算方式が誤っており、これはろうそく集会を妨害して憲法裁判所の審判に影響を及ぼそうとする政治的意図と疑われるとし、警察庁長官とソウル警察庁長官の告訴まで議論がなされた。

 これまで保守団体側が発表した弾劾反対集会の規模が、明確な根拠もなく水増しされているという指摘が多く、警察も重要事案でたびたび政権の顔色を伺ってきたという不信が消えず論議は大きくなった。

 警察が集会参加者を推算する方式と目的は、主催側とは異なり単純比較対象にはならないという点はすでに知られている。警察は集会で衝突や安全事故などの突発状況発生に備えて、機動隊などの警備力を運用する。時間帯により特定地点に集まる人員が増えたり減ったりすれば、それに合わせて警察力を増減したり移動させることが目的だ。

 こうした理由で警察が重要と考えるのは「瞬間基準」人員だ。該当する空間に特定時点に何人が集まったかを重視する。主に使われる推算方式は「フェルミ法」だ。3.3平方メートル(1坪)当たり、座れば5~6人、立てば9~10人が入ると見て、面積当たりの人員を推算する方式だ。警察は米国、日本、イタリア、ブラジルなどの国家警察もフェルミ法など面積当たり人員推算方式を使っているが、これをめぐって韓国のような論議がおきると、非公開を原則にしたと説明した。

 このように警察は内部の必要に応じて人員を推算するので、厳密に言えばマスコミに推算人員を「公式発表」するわけではない。集会の規模が国民的関心事である場合が多く、マスコミが要請すれば慣例として警察推算人員を公開しただけだ。反面、主催側は集会の全体規模を強調し世論の大きさを最大限に表現することが目的だ。

 そのために、瞬間基準ではなく参加延べ人数(累積人員)を推算して公式発表する。集会時間帯の途中で出入りした人員をすべて含んだ数字だ。

 退陣行動は、ソウル市が集計した光化門近隣の地下鉄駅の乗降者数統計、光化門広場に隣接する道路・空地・二面道路・地下道・商店街の市民分布現況と密度、通信業者の発表など多様な方式で人員を推算していると説明した。警察は退陣行動のこのような方式も内部的に検討したが、うなずきかねる側面が多く瞬間最多人員方式を使う他はないという立場だ。警察は自主的にもあえて人員推算をしない方向でマニュアルを作る計画だ。

 警察の集会人員推算が当初は内部用途であったが、最近は集会参加者の規模が国民的関心事になっている状況で、このように一方的に人員非公開の方針を立てたことに対して、果たして適切かという論議も起きている。いかなる方式であれ人員推算の正確性に限界があるならば、警察という国家機関が自ら「検証された方式」で扱うフェルミ法推算結果も国民に判断参考資料として提供することが正しいという意見も少なくない。

 アン・ジンゴル退陣行動常任委員(参与連帯共同事務局長)は「警察が集会人員推算しなくても全く問題ない。警察が数十年間誤った慣行を維持して、思う存分工作を行っておきながら、今になって止めるということは遅すぎる顔色伺い」と話した。さらに「警察が弾劾反対集会の人員を誇張して推算することは、弾劾審判を審理中の憲法裁判所に誤った信号を与えるためだ。国民は朴槿恵政権が退陣すれば警察の改革から始めようと乗り出すだろう」と明らかにした。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/778672.html 韓国語原文入力:2017-01-13 19:36
訳J.S(2261字)

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