親日反民族行為者の中で最も多くの財産が国家に帰属されたイ・ヘスン氏(写真)の子孫の財産取戻しが、8年目にして1勝3敗で事実上終わった。
最高裁判所1部(主審キム・ソヨン最高裁判事)は、国家がイ・ヘスン氏の子孫でグランドヒルトンホテル会長のイ・ウヨン氏を相手に起こした不当利得金返納訴訟で、「228億ウォン(約22億円)とその利子を国家に支払う」よう言い渡した原審を確定したと4日明らかにした。イ会長は「親日反民族行為者の財産の国家帰属に関する特別法」施行後、京畿道抱川市(ポチョンシ)などの土地181万平方メートルを第3者に売ったが、その後親日反民族行為者財産調査委員会(財産調査委)はこの土地を親日財産と判断し、売買代金の不当利得を還収することを決定した。最高裁3部(主審パク・ビョンテ最高裁判事)も、財産調査委が国家に帰属させた抱川市の約5万平方メートルの土地の返還を求め、イ会長が国家を相手に起こした所有権移転登記抹消訴訟で、原告敗訴を言い渡した原審を確定したと明らかにした。
朝鮮王族だったイ・ヘスン氏は韓日合併後、1910年8月に最高の朝鮮貴族の地位である侯爵の爵位を受け、光復(独立)の時まで経済・社会的特権を享受し、日本帝国政府側団体の活動に参加した。親日反民族行為真相究明委員会は2009年5月、イ・ヘスン氏を親日反民族行為者に決定し、財産調査委は2007年~2009年に約197万平方メートル(時価約332億ウォン=約33億円)に達する彼の財産の国家帰属を決定した。イ会長が第3者に売った土地181万平方メートル(時価約228億ウォン=約22億円)の売買代金も不当利得還収が決定された。
しかしイ氏の子孫は親日清算に対抗して財産の保護に出た。イ会長は財産調査委の京畿道抱川市などの土地192万平方メートル(時価約318億ウォン=約31億円)の国家帰属決定処分取消し訴訟を提起し、最高裁1部(主審ミン・イルヨン最高裁判事)は2010年「日帝から爵位を受けたというだけで韓日併合に功績があると推断することはできない」とし、イ会長の手を挙げた原審を確定した。しかしその後、最高裁は3回にわたってイ会長が国に対して起こした訴訟では敗訴を、国家がイ会長に起こした訴訟は勝訴を確定した。法務部が2015年10月に敗訴した2010年の判決に再審を請求し、イ会長を相手に起こした不当利得金返納訴訟がソウル北部地裁で審理中だが、再審却下で敗訴となる可能性が高い。