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法務部、期限2日前に親日財産還収の再審請求

登録:2015-10-26 01:40 修正:2015-10-26 16:20
300億をめぐる李海昇裁判、28日が期限 
日帝時代に爵位・恩賜金17万ウォン授かる 
2010年最高裁の上告棄却で還収できず 
法改正後、光復会など再審を要求 
法務部、やっと再審請求の意向を示す

 法務部が日本から侯爵の爵位を授かった李海昇(イ・ヘスン)の財産還収のために再審を請求し、新たに民事訴訟を起こす方針であることが確認された。法務部が再審請求の期限(10月28日)直前に、このような方針を明らかにしたことをめぐり、世論に押されての対応と指摘する声があがっている。

 法務部関係者は25日、ハンギョレとの電話インタビューで「法的には再審請求をする様々な困難があるのが事実だ。実質的に李海昇の財産を還収するための不当利得金返還訴訟など民事訴訟を新たに提起するために準備している」と明らかにした。 「李海昇財産還収事件」は2007年に遡る。朝鮮王朝の宗親である李海昇は、韓日併合直後の1910年10月7日に発表された朝鮮貴族令に応じて、日本政府から侯爵の爵位と現在の価値で数十億ウォン(数億円)に相当する恩賜金16万8000ウォンを授かった。 「親日・反民族行為者財産調査委員会」(親日財産調査委)は、2007年11月、李氏の親日行跡を根拠に京都抱川(ポチョン)の林野など土地192万平方メートル(当時時価で約318億ウォン=約34憶円)を返還することを決めた。

李海昇の親日財産に関する裁判日誌//ハンギョレ新聞社

 しかし、李氏の孫であるグランドヒルトンホテルのイ・ウヨング会長は翌年2月、親日財産調査委が下した還収決定の取り消しを求める訴訟を起こした。1審と2審の判断は分かれた。ソウル行政裁判所行政4部(裁判長イ・ギョング)は2009年6月5日、「韓日合併に功があることが認められ、侯爵の爵位を授かったものと見られる」とし、財産の還収が正当であると判断した。しかし、控訴審を担当したソウル高裁行政9部(裁判長パク・ビョンデ)は2010年5月27日、「韓日併合当時、日本から貴族の爵位を授かっただけでは、合併に寄与したと推断できない」として、李氏の子孫の勝訴とした。財産の返還の根拠となった「親日・反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」(親日財産特別法)は、親日・反民族行為者を「韓日併合で功を立てたことで爵位を授かったり、これを継承した者」と定義しているが、控訴審裁判所は、李氏の侯爵の爵位が韓日併合への寄与により授かったのかどうか、不明だと判断したのだ。大法院(最高裁)1部(主審ミン・イルヨン大法官)は、同年10月に法務部の上告を棄却して控訴審判決を確定した。李氏の財産還収が水の泡になると非難世論が沸き立った。

 結局、国会は、2011年5月、親日財産特別法を改正して「韓日併合への功」という文言を除外した。しかし、すでに行われた大法院の決定を覆すことはできなかった。その後、光復会や民族問題研究所などの団体が再審請求を主張してきたが、法務部は請求期間の5年がほぼ過ぎるまで、特別な措置を取らなかった。請求期限は今月28日までだ。

 ジョン・チョルスン光復会顧問弁護士は、ハンギョレとの電話インタビューで「法務部が日帝清算問題に関する重要な出来事を日常事務のように扱ってきたのではないかと思う。これまでいくつかの団体が再審請求を要求したが、何の立場を表明しなかったのに、期限が目前に迫ってくると再審請求の方針などを明らかにしたのは残念だ」と指摘した。

 李氏の財産と関連した別の訴訟も現在、大法院に係留している。親日財産調査委が親日財産と判断したが、イ・ウヨン会長が2006年228億ウォン(約24億3千万円)で第3者に売却し、国が提起した不当利得返還請求訴訟だ。 1審では、返還の必要がないとする原告敗訴の判決が下されたが、親日財産特別法改正の後に行われた控訴審では、国が勝訴した。

チョン・ファンボン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-25 19:41

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/714390.html 訳H.J