朴槿恵(パク・クネ)大統領が1日午後、大統領府の常春斎で担当記者団と「電撃記者懇談会」を開き、これまで提起された疑惑を全面的に否定した。「朴槿恵-チェ・スンシルゲート」特別検察官チームの捜査と憲法裁判所の弾劾審理が本軌道に乗ったことを受け、記者懇談会を自ら要請して本人の“無実”を強調したのだ。朴大統領自らが「セウォル号7時間」とサムスン物産・第一(チェイル)毛織の合併への介入など、主な疑惑に対して釈明を行ったのは今回が初めてで、今後の特検捜査と弾劾審判で守勢に立たされないために、積極的な“世論戦”を繰り広げようとする意図とみられる。
同日の懇談会は、ハン・グァンオク大統領秘書室長と大統領府記者団がトックク(韓国の雑煮)昼食を共にしていた昼12時50分に、急遽告知された。懇談会が始まる40分前のことだ。これまで、朴大統領は検察と特検の捜査過程で、自分をめぐる疑惑を直接釈明する場を設けたい言っていたという。朴大統領は昨年11月29日に3回目の国民向け談話を発表した当時、記者団が懸案について質問すると、「近いうちに様々な経緯について詳しく申し上げる。質問はそのときにしてほしい」と述べた。朴大統領は、当初国会の弾劾案議決直前の12月5日または6日に記者会見を開く構想を持っていたが、弾劾をめぐる論議が急展開を見せたため、実現しなかった。朴大統領は同日午前、大統領府首席秘書官以上の参謀たちとトッククで朝食を共にする際に、記者懇談会を開く意向を明らかにしたという。また、憲法裁が今月3日から弾劾事由を本格的に審理する予定であり、特検も同じくムン・ヒョンピョ元保健福祉部長官を拘束して、朴大統領への賄賂罪適用に狙いを定めていることも、急遽釈明の場を設けた背景とみられる。
朴大統領は同日、記者団に「国民に申し訳なく、毎日気が重い」と述べた直後、セウォル号7時間疑惑などに言及し、「まったくあきれ返る」とか「気が重く、もどかしい限りだ」、「事実ではないことが力を持って事実のようになっていき、そうではないという話はそのまま聞き流されてしまう状況だ」などと語気を強めながら、マスコミの報道に対する不満を表した。
しかし、職務停止中の朴大統領が記者懇談会を開き、「朴槿恵-チェ・スンシルゲート」疑惑に真っ向から反論したことに対して、野党は強く反発した。パク・ギョンミ共に民主党代弁人は、懸案ブリーフィングで「弾劾で職務停止中の大統領が、記者団と新年会を行うとは話にならない」とし、「検察と特検の捜査を通じてかなりの部分が明らかになったにもかかわらず、すべてを虚偽、歪曲、誤解だとして、自分の無実を主張する朴大統領の姿は、図々しいことこの上ない」と批判した。コ・ヨンホ国民の党代弁人も論評を出して「私は何も知らなかったと言いながら検察捜査に非協力的な大統領が、どうして記者団に会ったのかが疑問」だと指摘し、ハン・チャンミン正義党代弁人も書面論評で「大統領の資質はもとより、公私の区別も、国政運営の基本も知らない、凡人よりも劣る惨めな人間の姿を見た。今回の新年会は、自分の過ちを徹底的に否定しようとする被疑者大統領の卑怯な足掻きに過ぎない」と批判した。チャン・ジェウォン改革保守新党(仮称)代弁人も「とても失望させられた。不適切極まりない懇談会だった。国民的抵抗を招くだけだろう」と評した。