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検察、「帝国の慰安婦」の著者・朴裕河教授に3年求刑

登録:2016-12-21 02:59 修正:2016-12-21 06:50
「帝国の慰安婦」著者の朴裕河世宗大学教授が20日午後、ソウル広津区にあるソウル東部地裁で開かれた自身の名誉毀損容疑裁判の結審公判に出席するため法廷に向かっている=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 検察が日本軍慰安婦被害者に対する名誉毀損の疑いで裁判に持ち込まれた「帝国の慰安婦」の著者である朴裕河(パク・ユハ)世宗大学教授に懲役3年を求刑した。

 20日、ソウル東部地裁刑事11部(裁判長イ・サンユン)で開かれた結審公判で、検察は「歴史的事実を意図的に歪曲した点、(過ちを)悔いていない点、被害者の名誉を深刻に毀損した点などを考慮すべきだ」としてこのように述べた。

 検察の求刑に先立ち、「慰安婦」被害者のイ・ヨンスさん(89)は硬い表情で証人席に立ち「16歳のとき、寝ていたところを軍人に捕まって連れていかれたが、軍人の部屋に入らないといって電気拷問などあらゆる苦痛を受けた。台湾の神風特攻部隊に連れて行かれ、1946年に出てきた」と涙を堪えて話した。さらに、「朴裕河が妄言を書いて本を出した。そんな教授がどうして学生に教えられるのか。厳罰にしてほしい。あまりにも悔しい」とつけ加えた。一部の傍聴客も涙ぐんだ。

 朴教授側の弁護人は「朴教授が著書で『慰安婦は強制動員された性奴隷』ということを認めている」、「本の一部の内容だけを取り上げて名誉毀損だとするのは正しくない」とし、無罪を主張した。朴教授は、準備してきた最終陳述原稿を1時間にわたって読んだ。朴教授は「(『慰安婦』被害者である)ペ・チュンヒさんは強制連行がなかったし日本を許したいがそのような言葉を発することができないと仰った。本を通じてこのように忘れられた声を伝えようとした。私の話だけが真実だとは思っていない。当事者たちの声を聞かなければならないと思ったし、考えが違うならば一緒に再び考えてみようということだ」と話した。朴教授は「本で軍人の強制連行を否定したことはない。慰安所の生活はとても残酷だった。ただし、ひとえに強制連行だけだったと主張する認識を正そうとしたもの」だと付け加えた。朴教授に対する判決公判は来月25日午後3時に開かれる予定だ。

キム・ギュナム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/775387.html 韓国語原文入力:2016-12-20 22:04
訳M.C(1031字)

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