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朴大統領、セウォル号沈没時ヘアセットのために90分を費やす

登録:2016-12-07 00:50 修正:2016-12-07 07:18
江南(カンナム)の有名美容師チョン氏、正午に大統領府の呼び出し受け 
海洋警察が船体に接近もできていない時にアップスタイルのセット始め 
大統領は何の指示もせず315人救助のゴールデンタイム逃す
朴槿恵大統領がセウォル号惨事当日の2014年4月16日午後5時半、ソウル世宗路の政府ソウル庁舎中央災害安全対策本部を訪問し、全羅南道珍島沖で発生した旅客船沈没事故に関する状況報告を聞いている=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 セウォル号が沈没した2014年4月16日、朴槿恵(パク・クネ)大統領は、乗客救助対策を設ける代わりに江南(カンナム)の有名な美容師を大統領府に呼び「アップスタイル」にするのに90分以上を費やしていたことが6日確認された。疑問の7時間のうち1時間30分は明らかになったことになるが、残りの5時間30分間は何をしていたのか、依然として疑問が残る。

 ハンギョレが大統領府と美容業界の関係者複数に会って聞いた話を総合すると、ソウル江南区清潭洞(チョンダムドン)でT美容室を経営するチョン院長(55)は、セウォル号の惨事が起きた2014年4月16日昼12時頃、大統領府から「大統領の髪をセットしなければならないので急いで来てくれ」との連絡を受けた。この日午後には予約客が多かったが、予定になかった大統領府の呼び出しによって美容室のスタッフらは午後の予約をすべてキャンセルしなければならなかった。チョン院長は、車で1時間ほどかけて大統領官邸に着いた後、同日午後に朴大統領特有の「アップスタイル」をした。アップスタイルは母親の故ユク・ヨンス氏を連想させる髪型で、数十個のヘアピンを使い、上向きに上げて丸い形を作るものであり、化粧まで含めて1時間半以上かかることが分かった。当時の状況を知るある関係者は「この日も普段と変わりなく髪の毛を整えるのに90分ほどかかったと聞いている」と話した。朴大統領がアップスタイルをした時間は午後1時から3時の間とみられるが、正確な時刻は確認されていない。

ソウル江南区清潭洞の美容室「トニーアンドガイ」清潭本店。店を営むヘアーデザイナーのチョン氏が2014年4月16日セウォル号惨事当日に大統領府に行き、朴槿恵大統領にヘアーセットをしたという事実が確認された=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 当時、朴大統領はすでに国家安保室から午前11時23分に「315人の未救助の人々が行方不明または船体残留の可能性が高い」という報告を電話で受けていたが、これといった指示もなくチョン院長は普段と変わりなく髪をセットしたという。いわゆる「ゴールデンタイム」中に少なくとも90分を浪費したということだ。特に、チョン院長が大統領府に入りアップスタイルを作るため待機し始めた午後1時頃は、海洋警察がセウォル号に閉じ込められた315人を救助するため水中捜索作業に着手した時刻と一致する。海洋警察は午後中ずっと船体への進入もろくにできずにいた。結局、朴大統領は午後3時になってようやく中央災害安全対策本部(中対本)を訪問する「準備」を指示し、5時を過ぎて中対本に姿を現した。そして朴大統領はイ・ギョンオク安全行政部2次官に「ほとんどの生徒は救命胴衣を着たというのにそんなに発見が大変なのですか」と尋ねた。

 ハンギョレはチョン院長により詳しい情況を聞くため、この5日間に十数回会った。ハンギョレが把握している4月16日の状況を説明し確認を要請すると、チョン院長は短く「はい」と答えた。チョン院長は、特検でセウォル号の惨事当日の7時間について調査する場合には説明するか、という質問に対して「そうだ」と答えた。

 チョン院長を呼び出す前の午前の時間に朴大統領が何をしていたかは、依然として究明されていない。美容施術を受けていたなどのあらゆる推測があるが、チョン院長は「言えない」と答えた。しかし、髪型をセットしなければ公開の行事に姿を現さない朴大統領の慣例を考えると、昼12時にチョン院長を大統領府に呼び出したということは少なくとも午前中はセウォル号の対策を立てるための大統領府内部の会議すら行う意思がなかったか、あるいはその状況ではなかったものと解釈できる。

ハ・オヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/773544.html 韓国語原文入力:2016-12-06 19:57
訳M.C(1799字)

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