3日午後6時59分、ソウル光化門(クァンファムン)広場に集まった市民の大多数が歌手ハン・ヨンエの歌に聴きほれているとき、「朴槿恵政権退陣非常国民行動」(退陣行動)集会企画チームのキム・ジホ氏(44)はジリジリしながら時計を見ていた。この日開かれた「第6回汎国民大会」のハイライトである午後
7時の「1分消灯」パフォーマンスが、ともすれば失敗してしまう可能性があったからだ。7時という時間には、セウォル号惨事当日の大統領の7時間を明らかにせよという意味も込められていた。7時50秒前、ハンさんの公演が終わると、キム氏は胸をなでおろした。キム氏は「前の行事や発言に時間が取られ、ハン・ヨンエさんの公演時間がぎりぎりになった」と言い、「先週は牛を引いて来られた方が舞台近くに来るために通り道を作るのに苦労した」と笑いながら話した。
毎週100万人を超える「ろうそくの市民」たちがソウル都心で安全で意味深い大規模集会を開催することができる背景には、数百人の「ろうそくスタッフ」たちがいる。約1600の市民社会団体が集まった退陣行動は、10月29日から6回の大規模な集会を主導した。退陣行動常任委員のアン・ジンゴル参与連帯事務処長は「毎週水曜日に各団体の代表たちで構成された運営委員会の会議を3~5時間かけて行う。100万本のロウソクがあれば100万個の提案があるため、それらをすべて検討して討論を経て、集会の内容を決める」と話した。「大統領府に向けてのみ行進しなければならないのか」という意見のために大統領府の反対方向にも行進を行い、ソウルの4地域から出発する方式もあった。「公演が多い」という意見が多く、3日の集会では自由発言時間を大幅に増やした。
このように運営委員会で決定された内容をもとに、集会企画チーム、政策企画チームなど10あまりのチームで構成された状況室は、現場実務を担当している。金曜日に「朴槿恵退陣広場ろうそくコンサート・退いてショー」が開かれるため、舞台装置は木曜日の夜9時頃から作業を始め、金曜日午前までに設置を終える。以後リハーサルを行い、土曜日の集会が終わると零時過ぎに舞台を解体するが、この作業にも4~5時間かかる。多くの人々が死角地帯なく舞台が見られるよう、3日には固定式大型スクリーンが4個、移動式スクリーンが11個設置された。本集会が開かれる時、技術装置を管理する専門会社スタッフだけで100人あまりになる。約150人の退陣行動関係者たちも、怪我をした人はいないか、迷子が発生していないか、時々刻々状況を注視する。100人を超えるボランティアたちは、蛍光チョッキを着て現場でろうそくやプラカードを配り、便宜施設の案内や秩序維持の業務を担当する。
集会の「ハードウェア」だけでなく、「ソフトウェア」管理も主催側で努力している。退陣行動は自由発言を申請した市民たちに、マイノリティーを蔑視する発言やヘイト発言をしないよう事前に呼びかけている。先月26日に開かれた第5回汎国民大会を翌日に控え、DJ DOCの公演を中止したことで論議が起きたが、退陣行動のパク・ビョンウ共同状況室長は「マイノリティ-や弱者の立場に耳を傾けようと非常に努力しているため、意見の相違が明確に存在する点があるならばこちらがよく調べないわけにはいかない」と話した。
集会に支払う費用は、初期に3万人ほどが集まった時は700万ウォン(約68万円)ほどだったが、最近は1回に約1億9000万ウォン(約1850万円)ほど支出する。舞台設置費からボランティアの弁当代まで含めた金額だ。主催側は現場の募金と銀行口座への後援を受けている。募金の内訳は退陣行動ホームページに公開される。
一方、9日に弾劾案処理が予定されているため、退陣行動側は6~7日に市民たちの多様な意見をもとに、具体的な対国会闘争案を発表する計画だ。退陣行動の関係者は「国会やセヌリ党本部占拠、座り込みについての意見も多い」と伝えた。10日に行われる汎国民大会は、弾劾表決の結果に関係なく光化門広場で大統領の「即刻退陣」を要求する声を上げる方針だ。