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[ニュース分析]ちびちびと譲歩しながら局面転換狙う朴大統領

登録:2016-11-09 00:50 修正:2016-11-09 08:19
国会に首相の推薦を要請した理由とは 
朴槿恵大統領が8日午前、国会を訪問して国会議長接見室でチョン・セギュン国会議長と話し合っている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

国会に首相の推薦権を譲歩した形 
国政空白の責任を野党に転嫁 
 
朴大統領、権限の放棄には言及せず 
引き続き主導権を握ろうとする意志と見られる 
国政の収拾より局面転換が狙い 
 
首相の人選めぐり与野党の意見分かれた場合は 
朴大統領、世論の回復を待って息を吹き返す

 朴槿恵(パク・クネ)大統領が8日、結局、「金秉準(キム・ビョンジュン)首相カード」を切ってから6日後に取り下げた。今月2日、野党と協議せずに金秉準首相候補者を電撃的に指名して政局を混乱に陥れたが、野党と市民社会の激しい反発に直面し、一歩後退したのだ。朴大統領は「チェ・スンシル国政壟断」波紋が本格化した先月25日からこの日までの半月間に、2回の謝罪と人事刷新案を提示したが、「世論探り」と政界の圧迫に「不承不承」対応を繰り返しているという批判もある。

 朴大統領が「チェ・スンシル国政壟断」波紋に初めて対応したのは、演説文の事前流出疑惑が提起された翌日の先月25日である。朴大統領は当時、国民に向けた謝罪で、チェ氏が今月2012年の大統領選挙と就任後の一定期間、演説・広報文(の作成)に関わっただけだと釈明したが、これはすぐに嘘であることが明らかになった。朴大統領の支持率が過去最低の17%(韓国ギャラップ10月4週の調査)に落ち込んだことを受け、支持率が公開された28日夜、朴大統領は大統領府首席秘書官たちに一括辞表の提出を指示し、2日後に秘書室長とアン・ジョンボム、ウ・ビョンウ首席秘書官、「門番3人組」などを更迭した。

 電撃的な内閣改造も同様の手順で進められた。「チェ・スンシル疑惑」が広がり、朴大統領が国政から手を引くべきという世論が高まっていた2日、朴大統領は金秉準・新首相候補者と経済副首相、国民安全処長官候補者を指名するなど、奇襲的に人事権を行使した。これに対し、野党では本格的に「下野」と「弾劾」を公論化し始めた。朴大統領は、翌日の3日、ハン・グァンオク秘書室長ら大統領府の後任人選に乗り出し、4日には国民に向けて2回目の謝罪をしたが、野党と市民社会が要求する「第1線からの後退」はもちろん、金秉準候補者についても全く言及しなかった。

 さらに、支持率が歴代大統領の最低値の5%に落ち込み、ソウル光化門(クァンファムン)に20万人(主催側推算)が集まるなど、朴大統領の退陣を要求するデモが全国に拡大されると、大統領府はあわてて朴大統領と与野党代表のトップ会談を提案する考えを明らかにした。しかし、「金秉準候補者の指名撤回」を先決条件に掲げた野党が会談を拒否すると、朴大統領は8日、チョン・セギュン国会議長と面談し「国会で与野党の合意で首相に良い方を推薦してほしい」とさらに一歩後退する形を取った。当初、一方的な内閣改造で政局を空転させたにもかかわらず、世論と政界の動向に応じて「ちびちびと譲歩する」対応を続けているのだ。それでも「国政から手を引くべき」という野党の要求に対しては、依然として具体的な言及を避けている。政局の主導権に対する朴大統領の執着が国政の空白を長期化させていると批判されるのも、そのためだ。

 朴大統領のこうした「日和見的」対応は、政局収拾よりは局面転換を狙ったものという指摘もある。「チェ・スンシル国政壟断」事件の捜査方向が、朴大統領のミル・Kスポーツ財団の募金への介入に定まっていることを受け、電撃的な内閣改造で視線を分散させたが、今度は首相推薦の局面に転換させているということだ。朴智元(パク・チウォン)国民の党非常対策委員長兼院内代表が「大統領が(首相推薦の責任を)国会に押し付ければ、マスコミと国民の耳目は与野党3党が誰を首相に推薦するかに集中する。私たちはその罠に、沼にすでに嵌まってしまった」と打ち明けたのも、そのためだ。与野党・野党間で新首相に対する意見が分かれているだけに、首相の人選をめぐって国会内の議論が長期化する場合、「国会の首相推薦」が結局、朴大統領が国政の主導権を回復するための「時間稼ぎ」として使われるという懸念の声も上がっている。

チェ・ヘジョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/769405.html 韓国語原文入力:2016-11-08 21:02
訳H.J(1858字)

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