ビンセント・ブルックス韓米連合司令官兼在韓米軍司令官は4日、「今後8~10カ月以内にTHAAD(高高度防衛ミサイル)砲台の韓国展開が行われるだろう」と述べた。
ブルックス司令官はこの日朝、ソウルのコリアナホテルで陸軍協会主催で開かれた朝食講演会で「THAAD砲台の韓国展開は韓米同盟レベルの決心であり、強い意志を持って推進する」とし、このように話した。これはジョン・ケリー米国務長官が10月19日、ワシントンで開かれた韓米「2+2(外交・国防長官)会議」で「THAADをなるべく早く韓国に配備する」と発言したことの延長線上にある。
慶尚北道星州(ソンジュ)のロッテゴルフ場にTHAAD砲台を韓米両国政府が計画した日時内に配備するという強調表現だ。朴槿恵(パク・クネ)大統領の支持率が歴代大統領の中で最低の5%まで急落するなど、韓国国内の政治が深刻な混乱に陥り、朴槿恵政権が事実上国政の動力を喪失した状況で、米国側の「焦り」が感じられる発言でもある。しかし、米国側のこのような態度は、韓国国内の政治状況の展開の様相によっては、THAAD反対世論をあおる可能性があるばかりでなく、ややもすれば「反米感情」を刺激しかねないという指摘も出ている。
ブルックス司令官は「韓国に展開されるTHAAD砲台は、グアム砲台より規模が大きい」とも述べた。通常THAAD砲台1基は「統制センター1施設、レーダー1基、発電施設1棟、発射台1~9台」で構成される。太平洋のグアム米軍基地のTHAAD砲台の発射台は2台だ。これに比較すると星州のTHAAD砲台は発射台が3~9台まで設置できるということだ。
ブルックス司令官は、韓国独自の核武装や米国の戦術核兵器の朝鮮半島再配備案には否定的な見解を明らかにした。米国政府の公式見解と同じだ。ブルックス司令官は「イ・スンジン合同参謀議長と(1日)、グアムで米国の戦略資産を見回りながら韓国に核兵器は不要だという点についても考えた」とし、「韓米両国は、朝鮮半島非核化に強い意志を持っているが、戦術核再配備はその意志を危険に陥れる可能性がある」と述べた。