大田(テジョン)の韓国原子力研究院が使用済核燃料(高レベル放射性廃棄物)1699本をこっそりと保管したうえに、来年からは核廃棄物の再処理実験まですることにした事実が知らされ(ハンギョレ6月29日付、8月9日付14面)市民の反発が高まっている。市民と自治団体は、第3者検証シシテムを導入し、使用済核燃料関連施設を点検しなければならないと主張した。
共に民主党のパク・ビョンソク、パク・ポムゲ、チョ・スンレ、イ・サンミン議員、セヌリ党のイ・ウンクォン、イ・ジャンウ、チョン・ヨンギ議員からなる大田地域選出の国会議員7人は24日、国会で大田原子力関連緊急懇談会を開き、政府の反省と謝罪を要求した。彼らは共同声明で「不透明な放射性廃棄物処理行政で大田市民の生命と安全を脅かしている政府の謝罪と反省を求める。政府は大田地域での放射性廃棄物保管量、保管位置、保管実態、危険度に関する具体的な情報を公開せよ」と要求した。地域住民、市民団体、地方自治体まで乗り出し粘り強く対策を要求した結果、政界も動き始めた。
これに先立って、大田環境運動連合など28の地域市民社会団体と政党は、今月23日に声明を出し「これ以上大田の都心に使用済核燃料が搬入されてはならず、これを使ったパイロプロセッシング実験も勧めてはならない。政界は問題解決のために積極的に立ち上がらなければならない」と明らかにした。
使用済核燃料とは、原子力発電などにより焼け残る核燃料で、強い放射線を放出し生命体にとって致命的だ。今年6月ユ・スンヒ、チェ・ミョンキル議員が出した資料によれば、1987年~2013年まで計21回にかけて韓国の原子力発電所から大田儒城区(ユソング)の原子力研究院に使用済核燃料1699本を移動した。原子力研究院は来年からこれらの使用済核燃料を利用して核廃棄物を再処理するパイロプロセッシング実験を実施する計画だ。
市民、自治団体は、専門家と市民が参加する「第3者検証システム」の導入と運用を代案として提示した。26年間にわたり大田に使用済核燃料を搬入してきた政府は信じられないということだ。今月20日、大田市官坪洞(クヮンピョンドン)の住民センターで開かれた原子力研究院の住民説明会で、住民のアン・オクレさん(41・儒城区官坪洞)は「住民の不安を解消するためには原子力安全委員会が指名した専門家だけでなく、住民が推薦した専門家と住民が共に参加する検証団を設け検証しなければならない」と強調した。クォン・ソンテク大田市長と大田市内5区の区長もこの日出した「大田の原子力安全のための声明書」で、「政府は今後使用済核燃料の大田搬入を絶対に禁止し、パイロプロセッシング研究は中止し、第3者の専門家が参加して原子力研究院の使用済核燃料施設を特別点検しなければならない」と明らかにした。
これに対して原子力研究院のソン・キチャン核燃料サイクル技術開発本部長は「今後、使用済核燃料を移動する際は、その内容をすべて公開する。しかし、将来使用済核燃料が大田にさらに入って来るか否かについては断定できない。第3者による検証を導入するかどうかは、原子力研究院が決める事案ではない」と話した。