2040年ソウル。半世紀前の1990年に比べ30歳未満の住民が半減し、900万人都市に縮小する。建築年数が30年以上の住宅が半分以上を占め、再建築・再開発が困難な老朽化したアパート団地はスラム化する。
ソウル研究院は27日、ソウル市庁で「ソウルの未来・ソウルの選択」をテーマに開かれた開院24周年記念セミナーで、統計庁とソウル市の資料などを分析しこのような見通しを発表した。
統計庁の資料によると、現在約1000万人のソウルの人口は2040年には916万人に減少し、1980年代前半の水準に縮小する。人口の自然減少とともに、住居費の負担などでソウルから押し出される人口が増える結果だ。高齢化が進み中位年齢は52歳になる。中位年齢は全ての人口を一列に並べたとき、真ん中に位置する人の年齢であり、2013年には中位年齢が39歳だったことを考えると2040年には50代が「若者」扱いを受けることになる。
人間だけでなくソウルの住宅も高齢化する。ソウル研究院のメン・ダミ研究委員は、ソウルの多くの住宅がいっせいに古くなることで住宅団地がスラム化することを懸念した。2040年には老朽住宅の築年数が30年以上の住宅が全体の半分を超えることになる。特に現在のマンションの90%が再建築対象になるなど、多くのマンションの老朽化の時期が一斉に到来するものと予想した。
メン研究委員は「低成長期に差し掛かり、再開発・再建築事業は事業性のある一部地域だけで推進され、住居環境が両極化し、環境の悪化、安全問題、社会的孤立などに直面する」と話した。空間・社会的に孤立した老朽住宅の密集地域には空き家が増え、犯罪、公衆衛生、景観などの問題が生じ、ひいては犯罪、暴動など深刻な社会問題につながる可能性が高いということだ。
これに対する代案として「量的供給」から「質的成長」へと住宅政策の方向を転換することを提案した。メン研究委員は「高度成長期から低成長期に変化する今後10年の政策が2040年のソウルの住居環境を左右する」とし、「公共投資で低層住居地を中心とした質的管理を先制して行うこと」を主張した。
人口の変化に対応して基盤施設を整備、拡充し、住宅の改良を積極的に支援し、1・2人世帯、高齢者、子育て世帯などさまざまな居住者が快適に暮らせる良質な住居環境を造成すべきだということだ。また、住居地単位で統合的な空間福祉政策を具現化し、空き家を若者の創業スペースなど地域の必要な施設として活用する形で地域活性化を誘導する案も提示した。
グラフ:ソウル研究院提供