本文に移動

「THAAD、ロッテゴルフ場に配備」今月末に発表

登録:2016-09-08 01:20 修正:2016-09-08 08:42
韓国、「星州評価作業を完了…最も適合」
円仏教対策委員会の教務らが7日ソウル龍山国防部の前でTHAAD配備に反対する祈祷会を開いている。ロッテスカイヒル星州ゴルフ場は、少太山 大宗師の高弟であり、平和の聖者と崇められている鼎山 宋奎(1900~1962)宗師の誕生地から500メートルの距離にある//ハンギョレ新聞社

 韓国防部が高高度防衛ミサイル(THAAD)を新たに配備する地域として、事実上ロッテ星州(ソンジュ)ゴルフ場を選定し、今月末に公式発表するための調整に入ったことが分かった。

 国防部当局者は7日、「THAAD配備候補地に対する評価作業が事実上完了しており、中秋節連休明けの翌週あたりに評価結果を公式発表する案を検討していると聞いている」と話した。この当局者は「THAADの配備地域については、これまで星州地域内の候補地3カ所を対象に評価を行った結果、星州郡草田(チョジョン)面にあるロッテスカイヒル星州カントリークラブ(ゴルフ場)が最もふさわしいという評価が下された」と話した。海抜680メートルに位置するロッテスカイヒル星州カントリークラブは、星州郡庁から北西に15.2キロメートル離れており、THAADレーダーによる電子波被害をめぐる論議から比較的に自由な地域である。

 しかし、隣接した金泉(キムチョン)の住民たちが反対しており、(配備には)難航が予想される。ロッテゴルフ場から北に約7キロメートルのところに5120世帯、約1万4000人が居住する金泉革新都市があり、半径5.5キロメートル以内には金泉市南(ナム)面と農所(ノンソ)面などに1000世帯、約2100人が暮らしている。金泉住民らはロッテゴルフ場が有力なTHAAD配備の候補地に挙げられた当初から反対集会を開くなど、激しく反発している。今月1日には金泉住民代表団が直接ソウルに上京し、ハン・ミング国防部長官と面会し、「ロッテゴルフ場へのTHAAD配備に反対する」意思も伝えた。

 国防部は今月末に公式発表の際、ロッテゴルフ場の選定過程と背景、不可避性を説明して理解を求める方針だ。国防部当局者は「現在、関連部署で金泉現地住民を説得する論理などをまとめている」と話した。

 国防部はロッテゴルフ場の敷地をどのように確保するかをめぐって検討を重ねているものという。ロッテゴルフ場は計178万平方メートル規模だ。国土交通部の個別公示地価(2016年5月31日に公示)が1平方メートル当たり6500ウォン(約605円)で、敷地全体を購入する場合、828億ウォン(約77億円)になる。当初、THAADの配備地域に選ばれていた星山砲台の敷地面積(11万6584平方メートル)と同じ規模を購入する案もある。この場合には、公示地価で54億ウォン(約5億円)になる。しかし、ゴルフ場の一部敷地にTHAADが配備されれば、残ったゴルフ場の価値も下がってしまうため、分割買収できる可能性は低いとされる。また、ゴルフ場の敷地にある建物や施設物、その他の投資費用に対する補償などを考えると、実際の購入価格はこれよりはるかに高くなるものと予想される。

 国防部は、ゴルフ場の買収と関連し、ロッテ側の協力を期待している。しかし、実際に購入する場合、国家財政が投入されるため、いかなる方法であれ、国会の審議対象になる点が国防部としては負担になっている。憲法60条は「国家や国民に重大な財政的負担を負わせる条約、または立法事項に関する条約」に対し、国会の同意を得るように規定している。国防部はこれまで「韓米間のTHAAD配備の合意は国会の同意を求めるべき事案」という野党の主張に対し、「軍所有の星山砲台にTHAADを配備すると、国家財政に負担を与えない」などの理由で拒否してきた。しかし、星山砲台を断念し、ロッテゴルフ場を購入することになれば、事情が変わってくる。国防部が、ロッテゴルフ場の購入費用は憲法60条で規定されている「重大な財政的負担」には当たらないという論理を盾に、国会の同意は必要ないと主張する可能性もある。だとしても、国家財政の投入は、それ自体が国会予算審議の対象であるため、国会の介入を避けて通ることはできない。そのため国防部は、国会の同意手続きを避けるために、ロッテゴルフ場や国防部所有の土地を交換する案などを検討していることが分かった。

 国防部は当初、慶尚北道星州の星山砲台をTHAAD配備地域に選定したが、星州住民の激しい反対にぶつかり、先月22日、「星州内の第3の候補地を検討する」として、THAAD配備予定地の変更を公式に宣言した。国防部はこれまで草田面ロッテスカイヒル星州カントリークラブと金水(クムス)面の厭俗山(海抜872メートル)、修倫(スリュン)面のカササギ山(572メートル)の3カ所を対象に、第3の候補地の選定作業を行ってきたという。国防部は当時、作戦運用性(軍事的効率性)▽住民・装備・飛行の安全▽基盤施設及び体系と運用▽警戒保安▽工事所要および費用▽配備の準備期間など、6つの基準によって第3の候補地を評価すると明らかにした。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-09-07 13:49

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/760307.html 訳H.J

関連記事