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韓国国防部、THAAD候補地選定から40日で「第3の場所検討」

登録:2016-08-23 02:34 修正:2016-08-23 09:22
新たな対立を招きかねない 
「有力な候補地はロッテゴルフ場」 
金泉市民の反発・費用などが問題になる可能性も 
実現できない場合は元の候補地に決まる可能性を示唆
THAAD配備の第3の候補地として有力視されているロッテスカイヒル星山ゴルフ場=資料写真//ハンギョレ新聞社

 国防部が22日、高高度防衛ミサイル(THAAD)配備と関連し、「星州(ソンジュ)内の第3の候補地を検討する」と公式発表した。

 国防部は同日午後、ムン・サンギュン報道官の名前で発表された「立場資料」で、「該当地方自治体と緊密に協力し、6つの敷地に可用性の評価基準を適用して、早いうちに現在星州地域で取り上げられている第3の候補地を評価する」ことを明らかにした。これに先立ち、同日午前にはキム・ハンゴン星州郡守が郡庁で記者会見を開き、「国防部に星山砲隊を除いた第3の候補地を決定してもらいたい」と要請した。

 国防部が星州郡の要請を受け入れる形で、第3の候補地の検討を約束したことで、THAAD配備問題は事実上「原点」から再検討を迫られる状況になった。地域住民の意見を無視した「拙速な推進」を認めたことに他ならない。主務省庁である国防部は無理な一方通行の決定で、1カ月以上も住民と対立し、これによる行政力の浪費と混乱、韓米間の外交的約束の不履行などが起きたことに対する責任を免れなくなった。

 国防部は今年3月4日、THAAD配備地域を選定する韓米共同実務団が本格稼動してから4カ月後の7月13日、「星州星山砲隊にTHAADを配備する」と一方的に発表した。しかし、星州住民たちの激しい反発に直面し、発表から1カ月あまりで「他の地域」を検討せざるを得ない状況に追い込まれた。国防部関係者は「第3の候補地に対する評価結果が出るまでは韓米の最初の決定が維持される。軍有地だけを対象にした以前の選定過程とは異なり、今回は私有地も含めて再び選定する」として、原点から再検討するわけではないと釈明した。

 国防部は第3候補地の検討対象を「星州郡内」に限定した。しかし、検討対象となる第3の候補地がどこなのかは特定しなかった。国防部関係者は「第3の候補地はマスコミでも取り上げられ、地域住民たちの間でも名前が挙がっていたと聞いている。これらの地域が対象になるだろう」として、これまで取り上げられてきたロッテスカイヒル星州カントリークラブが有力な第3の候補地であることを示唆した。星州郡庁から北西方向に18キロメートルの距離にあるこのゴルフ場は、人口密集地域から離れており、道路や電気などの基盤施設も完備されている。しかし、隣接した金泉(キムチョン)市民たちの反発が問題になる可能性もある。

 第の3候補地に対する評価作業は、今回も国防部と在韓米軍が共同で行う。国防部当局者は「第3の候補地評価は(星山砲隊をTHAADの配備地に決定した)韓米共同実務団が6つの基準に則って行う」と話した。6つの基準には作戦運用性(軍事的効率性)▽住民・装備・飛行の安全▽基盤施設及び体系と運用▽警戒セキュリティ▽工事期間および費用▽配備の準備期間などが含まれる。

 国防部は第3の候補地の検討が(候補地として)星山砲隊の放棄を意味するものではないと重ねて強調した。国防部当局者は適切な「第3の候補地」が見つからなければ、星山砲隊に戻るのか」との問いに「その可能性もある」と明らかにした。しかし、第3の候補地の検討がいつ終わるのかや第3の候補地の買入れ方法と費用、国会の同意などについては、言及を控えた。

 一方、キム・ハンゴン星州郡守は同日午前10時、星州郡庁大講堂で出入り口に内側からカギをかけたまま公務員70人と保守団体のメンバー30人など、約100人だけが見守る中、第3の候補地検討を要請する記者会見を行った。キム郡守の記者会見が終わった直後、THAAD配備の撤回をも求める星州住民約200人が大講堂に押し寄せてキム郡守の記者会見に反論する記者会見を開いた。ペ・ウンハ星州闘争委員会スポークスマン(41)は、記者会見で「住民の主張と関係ない、住民の意思と異なる郡守の今日の記者会見は無効だ。私たちは最後まで星州へのTHAAD配備の撤回に向けて戦う」と明らかにした。

パク・ビョンス先任記者、星州/キム・イルウ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力: 2016-08-22 21:42

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/757893.html 訳H.J

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