本文に移動

星州郡守、住民締め出し「第3の地域にTHAAD配備賛成」の記者会見

登録:2016-08-23 02:31 修正:2016-08-23 09:14
キム・ハンゴン郡守「国防部が星山砲隊除いた第3の候補地決めてほしい」 
今月22日午前10時5分、キム・ハンゴン星州郡首が、慶尚北道星州郡星州邑の星州郡庁1階の大講堂で第3の地域へのTHAAD配備を国防部に公式要請するとの内容の声明書を発表している=星州/キム・イルウ記者//ハンギョレ新聞社

反対住民「国防部と星州郡のやらせ」撤回要求し警察に連れ出される 
星州闘争委員会、内部の意見対立によりTHAAD配備賛成の記者会見を突然キャンセル

 キム・ハンゴン星州(ソンジュ)郡守が22日、星山砲隊ではない別の場所への高高度防衛ミサイル(THAAD)配備を検討するように、国防部に公式要請した。これまで41日間にわたり、THAAD配備の撤回を求めて政府と戦ってきた住民たちは、キム郡守の記者会見が終わった直後、記者会見を開き、これを受け入れられないと反論した。前日、闘争委員33人だけの票決で第3の地域へのTHAAD配備の容認を決めた星州義闘争委員会は、内部の意見対立により、同日予定されていた公式記者会見をキャンセルした。

 キム郡守は22日午前10時5分、慶尚北道星州郡星州邑の星州郡庁1階の大講堂で記者会見を開き、声明書を発表した。彼は「安保は国家を支える礎であり、国家のない国民はありえない。国家の安保に反する無条件の反対は、私たち皆を破局に導くだけであり、もし原案通り進められれば、星山砲隊へのTHAAD配備という取り返しのつかない傷を残すだけだ」と主張した。

 キム郡守は、ハン・ミング国防部長官に「国防部が星山砲台を除いた第3の候補地を決めてほしい」と要請した。また、星州住民には「私に力を貸してください。星山砲隊ではなく第3の場所へのTHAAD配備を進め、一刻も早く荒廃した星州郡の郡政を原状復旧する」と訴えた。

今月22日午前10時5分、慶尚北道星州郡星州邑の星州郡庁1階の大講堂で公務員たちと保守団体のメンバーたちがキム・ハンゴン星州郡守の記者会見を聞いている=星州/キム・イルウ記者//ハンギョレ新聞社

 キム郡守の後にはこの地域の国会議員のイ・ワンヨン議員(慶尚北道高靈・星州・漆谷)やペ・ジェマン星州郡議会議長をはじめ、星州郡在郷軍人会など、保守団体のメンバー21人が並んでいた。また星州郡公務員70人や保守団体のメンバー30人など、約100人が大講堂で記者会見を見守った。星州地域の慶尚北道議員2人と、星州郡議員8人のうち、ペ・ジェマン星州郡議会議長とベ・ボクス星州郡議員2人だけが記者会見場に姿を現した。キム郡守が声明書を読み上げる間、星州郡公務員たちは内側からカギをかけて、大講堂への立ち入りを防いだ。

 声明書の発表が終わると、イ・ワンヨン議員は「このように戦ってばかりいると、そのまま星山砲隊に(THAADが)配備され、軍民には何も得られなくなる。政府と国民に訴える。祖国の守護と安保のための偉大な決定を下した。この憂国の衷情を認めてもらいたい」と話した。

 星州郡庁大講堂では、同日午前9時40分、約200人の住民で構成された「星州へのTHAAD配置撤回のための闘争委員会」(共同委員長ペク・チョルヒョン、チョン・ヨンギル、キム・アンス、イ・ジェボク)が先に記者会見を開き、国防部に星山砲隊以外の場所にTHAAD配備の検討するように要請する予定だった。しかし、怒った住民約100人が星州郡庁に押し寄せて激しく抗議した。

 住民たちは「われわれは確かに撤回と言った」、「国防部と星州郡のやらせだ」と抗議し、星州郡庁の2階の郡守室と1階の大講堂に入ろうとした。しかし、この住民たちは星州郡の公務員と警察によって連れ出された。波紋が広がると、星州主闘争委員会は同日、記者会見を開かなかった。

今月22日午前10時30分、慶尚北道星州郡星州邑の星州郡庁1階の大講堂で星州住民たちがキム・ハンゴン記者会見を批判する反論記者会見を開いている=星州/キム・イルウ記者//ハンギョレ新聞社

 10分間にわたるキム郡守の記者会見が終わると、大講堂には住民約200人が押し寄せてきた。彼らは取材陣に「キャンドル(集会を開いた)住民として反論記者会見を行う。席に残ってほしい」と呼びかけた。約20の住民たちが壇上に上がり「国防部は、郡民を相手に爆弾回しのゲームを中断せよ」、「星州にTHAADが入ってきたら、5万郡民の生存権が脅かされます」と書かれたプラカードをもって並んだ。星州闘争委員会で活動する闘争委員たちも姿を現した。

 ペ・ウンハ星州闘争委員会スポークスマン(41)は「住民の主張と関係のない、住民の意思と異なる郡守の今日の記者会見は無効だ。私たちは最後まで星州へのTHAAD配備の撤回に向けて戦う。闘争委員会と郡民たちの意思を無視し、独断で星州にTHAADを誘致しようとする星州郡守を糾弾する」と叫んだ。

 反駁の記者会見が終わると、住民たちは大講堂にそのまま残って今後の闘争方向について討論した。そのばで、多数の住民たちが「闘争委員会を再構成し、セヌリ党所属は全員追い出すべきだ」と主張した。現在、チョン・ヨンギル、イ・スギル慶尚北道議員2人と、ペ・ジェマン星州郡議会議長を除いた残りの星州郡議員7人は、星州闘争委員会で共同委員長と副委員長、各分科の団長を務めている。このうち、星州へのTHAAD配備に反発し、セヌリ党を離党した議員は今までペク・チョルヒョン、ペ・ミョンホ、クヮク・ギルヨン星州郡議員の3人しかいない。

 しかし、パク・スギュ星州闘争委員会広報分科実務委員(53)は「星州闘争委員会が郡民たちの投票とか総意によって構成された組織ではない。しかし、これまで40日間、その闘争委員会が星州THAAD配置闘争を代表してきたのも事実だ。キャンドル(集会)の力で闘争委員会を牽引し、道を誤らないように監視して闘争委員会を強化する必要があり、(闘争委員会を)なくすとか、再構成するのは危険だ」と発言した。

今月22日午前10時30分、慶尚北道星州郡星州邑の星州郡庁1階の大講堂で星州住民約200人がキム・ハンゴンの郡守の記者会見を批判する反論記者会見をした後、討論を行っている=星州/キム・イルウ記者//ハンギョレ新聞社

 同日の討論で、住民たちは、第3の地域へのTHAAD配備を受け入れることにした星州闘争委員会を解体する代わりに、キャンドル(集会)市民代表2人を星州闘争委員会に送ることを決めた。住民たちは今日の午後2時から慶尚南道星州郡庁4階の懇談会室で開かれる星州義闘争委員会定例会議でこれを要求することにした。キャンドル(集会)市民代表としてはペ・ユンホさん(61・伽泉面)とキム・チュンファンさん(58・修倫面)が推戴された。

 ペ・ユンホさんは「私が昨日、キャンドル集会で申し上げたことをそのまま今日2時の闘争委員会でも発言するつもりだ。THAAD問題は星州だけの問題ではない。大韓民国全体の、さらには国際的な問題になった。時間がかかるかも知れないが、結局私たちが勝つ」と語った。

 キム・チュンファンさんは「闘争委員会と韓国住民たちが、最後まで戦ってこの場を守ります。状況が少し厳しくなるかもしれませんが、キャンドルはこれからも灯されます。これまでは、郡守が心を入れ替えて私たちの味方になってくれることを望んでいましたが、それはもう期待できなくなった。今日の午後2時に闘争委員会に行って(これから)どうするのかを協議し、キャンドル集会の際に発表する」と話した。

星州/キム・イルウ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力: 2016-08-22 15:11

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/757808.html 訳H.J

関連記事