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世界中が韓国人のように暮らせば地球が3.3個必要

登録:2016-08-08 22:10 修正:2016-08-14 15:28
GFN、8月8日を「地球容量超過の日」と宣言 
全世界が現状通り消費するには地球1.6個必要
世界中の人が韓国人のように暮らせば地球3.3個が必要になる//ハンギョレ新聞社

 世界中の人が韓国人のように生態資源を消費して暮らすには地球3.3個が必要という計算になると発表された。これは韓国人の1人当りの生態資源消費量が、地球が持っている生態容量に比べてそれだけ多いことを意味する。

 世界中の人の現在の資源消費水準を今後も続けるには1.6個の地球が必要なことが分かった。

 持続可能な地球作り運動を繰り広げる国際環境団体「グローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)」は、こうした内容の世界生態足跡推定値を発表し、8月8日を今年の「地球容量超過の日(Earth Overshoot Day)」と宣言した。

 今回の生態足跡計算には2012年の主要国統計が使われた。

人類の生態足跡は1970年代に入り地球の生態容量を超え始めた=GFN提供//ハンギョレ新聞社

 地球容量超過の日とは、自然の生態系が人類に与えうる1年分の資源をすべて使ってしまった日をいう。その年の生態資源消費量が、地球の年間更新(再生または吸収)能力を超過する日を意味する。したがって、この日以後に使われる資源は未来に使う分を先取りして使っていることになる。一方では海や森が吸収できる量より多い二酸化炭素を排出し、他方では自然の再生能力を超える規模の漁獲、伐採などがされていることになる。こうした状態が累積すれば、自然は次第に再生能力を失う。自然資源を保護し気候変化を予防するために作った概念だ。

 容量超過日は、自然が持っている生態容量と人間が自然に残す生態足跡(EF)を比較して計算する。生態足跡とは、人間が消費する資源の量をその資源の生産に必要な土地面積に換算して表示した数値だ。単位はgha(グローバルヘクタール)だ。

韓国人の生態足跡は1960年代後半から自然の生態容量を超え始めた=GFN提供//ハンギョレ新聞社

韓国人の生態足跡、生態容量の8倍超過

 GFNによる調査の結果、韓国人に与えられた生態容量は1人当り0.7ghaだが、韓国人が残す生態足跡は1人当り5.7ghaに達することが明らかになった。これは韓国の生態資源を持続可能な状態で維持するためには、現在より8.4倍も広い土地が必要であることを意味する。1人当りの生態足跡が最も大きい国はオーストラリアで、1人当り9.3ghaに達する。1人当りの生態容量が最も大きな国もオーストラリアで1人当り16.6ghaになる。

1人当りの生態資源消費量が多い国。これらの国の人々のように資源を消費して暮らせば、地球がいくつも必要だ。広大な自然環境で暮らすオーストラリア人の資源消費量が最も多いことが目につく=GFN提供//ハンギョレ新聞社

 人類の生態資源消費が地球の容量を超過し始めたのは1970年代に入ってからだ。1970年代初期には12月下旬だった「地球容量超過の日」は、1990年代に入り10月に、2000年代に入り9月に、2010年代に入ると8月にそれぞれ前倒しされた。それでも容量超過日が前倒しされる速度が、2010年代に入ってから遅くなったことは不幸中の幸いだ。1970年代には年に3日ずつ前倒しされていた容量超過日が最近6年間は年に1日程度の速度で動いている。地球容量超過日は2010年の8月14日から今年は8月8日になり、6年間で6日間前倒しされた。

生態足跡の60%は炭素足跡

主要国の生態足跡。韓国が生態資源を持続可能な状態で維持するには8.4倍の土地が必要だ=GFN提供//ハンギョレ新聞社

 GFNは「現在化石燃料の消費などで発生する炭素足跡が、生態足跡全体の60%に達する」として、強力な炭素排出規制策を求めた。そのうえで「昨年末200カ国がパリ気候協約で合意した目標を守るには、炭素足跡は2050年までにゼロ水準まで下げなければならない」とし、「これは地球上で生きていく方式を完全に変えなければ不可能だ」と強調した。

 GFNの設立者であり代表を務めるマティス・ワケナゲル(Mathis Wackernagel)氏は「炭素排出の低減は現在の技術でも可能であり、費用より利益が大きい。これは再生エネルギーのような新興産業を刺激する一方で、気候変化と関連したリスクとコストは減らす。現時点で不足している唯一の資源は政治的意志だ」と話した。

 GFNによれば、一部の国家は宿題を立派にやり遂げている。例えばコスタリカは、今年第1四半期(1~3月)に使用電力の97%を水力など再生可能エネルギーから得た。ポルトガル、ドイツ、英国は、今年驚くべき水準の再生エネルギー生産能力を誇示した。ドイツと英国は、数分間に過ぎないとはいえ、電力需要の100%を再生エネルギーで充当する記録を立てた。ポルトガルはこの記録を数日間維持することに成功した。中国政府は炭素排出低減のために、国民の肉消費量を半分に減らす計画を立てた。これを通じて畜産業で排出される炭素量を2030年までに10億トン減らす計画だ。ワケナゲル氏は「昨年パリ協約を実現可能にするために各国、都市、個人が迅速で果敢な行動をすべき時」と強調した。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/755585.html 韓国語原文入力:2016-08-08 13:36
訳J.S(2339字)

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