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雇用労働部、加湿器殺菌剤原料の有害性公表せず…政府の法的責任は

登録:2016-07-27 01:54 修正:2016-07-27 07:59
19年前の製造社のSK報告書を確認 
「繊維抗菌剤、目に触れると強い刺激」 
有害性、対策などの内容を含む 

遅れて書類を特別委員会に提出 
官報に有害性掲載せず違法行為 
国家責任を問えるかに注目
加湿器殺菌剤事件の真相究明と被害救済および再発防止対策のための国政調査特別委員会が25日、忠清北道の食品医薬品安全処で開かれた=五松/カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 雇用労働部がオキシー社加湿器殺菌剤の原料の有害性を1997年から認めながらも、法の定める手続きに従って公表しなかった事実が確認された。政府の加湿器殺菌剤の製造や販売、被害状況に対処する過程での違法事項が明らかになるに伴い、政府の法的責任を問えるのか注目される。

 国会の「加湿器殺菌剤事故真相究明と被害救済および再発防止対策準備のための国政調査特別委員会(加湿器殺菌剤特委)」所属のイ・ジョンミ(正義党)、シン・チャンヒョン(共に民主党)議員は26日、雇用部から提出された加湿器殺菌剤の原料であるポリヘキサメチレングアニジン(PHMG)の有害性調査結果報告書を公開した。この報告書は1997年にPHMGの製造業社であるユゴン(現SKケミカル)が雇用部(当時労働部)に提出したものである。

 当時、産業安全保健法は新規化学物質の製造、輸入者が事前に有害性、危険性の調査報告書を提出した場合、雇用部は調査報告書を検討し、物質の名称▽有害性・危険性▽労働者の健康障害の予防対策を事業主に通知した後、環境部など関連部処に通知するよう明示している。有害性物質を常時扱う労働者の安全のためにある規定である。当報告書にはPHMGの用途が「繊維の抗菌剤」と記されているが「目に触れると深刻な刺激を与える」、「吸入した場合は患者を新鮮な空気のある場所に移動させる」「(PHMGに汚染された水は)排水処理施設のある衛生施設に運ぶか、許可を受け廃棄しなければならない」など、有害性、危険性と対策事項が摘示されている。

加湿器殺菌剤被害者のイム・ソンジュン君が26日、政府果川庁舎で開かれた事件の真相究明と被害救済および再発防止対策のための国政調査特別委員会の現場調査に参加し傍聴席に向かっている=果川/連合ニュース

 だが、雇用部はこの内容を官報を通じて公表もせず、関連部処である環境部に通知もしていなかった。産業安全保健法違反に当たる。雇用部の関係者は「20年前の資料が残っておらず、なぜ公表しなかったのか、環境部など関係部処に通知したのかを直接確認することができない」とし、「通常は公表後関係部処に知らせる」と釈明した。これに対しシン議員は「雇用部がすぐに公表していればオキシー殺菌剤による被害を大幅に減らすことができた」とし、「雇用部の法律違反は政府の責任を立証する根拠となるものであり、検察は今からでも雇用部に対する調査に着手すべき」と話した。

 雇用部は公表手続きの欠落という事実を認めながらも「雇用部の調査は化学物質を直接、常時扱う環境にさらされる労働者の健康保護の対策を目的とした調査であり、環境部の有害性審査とは目的、内容、処置の基準が異なる」とし、「原料の物質を他の物質と混合して製品にした加湿器殺菌剤が噴霧された場合の有害性を検討するものではない」と釈明した。だが、民主社会のための弁護士会のソン・ギホ弁護士は「当調査は有害性物質が人間の身体に継続的、長期的に露出された場合に与える影響を調査したものであるが、この内容が環境部に通知されたならば『有毒性がない』と判断した環境部の有害性審査も変わっていたはず」とし、「雇用部の職務遺棄は明らか」と反論した。

 雇用部は最近までこの報告書が存在するのかどうかも分からなかった。両議員が雇用部へ資料要求をするに先立ち、ソン弁護士は雇用部に当報告書の情報公開請求を行った。これに対し先月15日、雇用部は「報告書を保有していない」とし「当時、ユゴンが雇用部に報告書を提出していないためと推測する」と答えた。しかし、両議員の要請後「産業安全保健公団で書類が見つかった 」と遅れて資料を提出した。

パク・テウ、ジョン・ウンジュ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-07-26 22:03

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/753996.html 訳M.C

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