本文に移動

済州島のクルーズ船防波堤が軍事施設?

登録:2016-07-18 23:58 修正:2016-07-19 07:10
海軍、クルーズ船防波堤を軍事保護区域化推進 
観光客が写真を撮れば法律違反になることも 
2009年、国防部・国土部・済州道基本協約書は 
「軍港防波堤外の地域は指定しない」と明記 
済州道「軍事保護区域指定は認めない」
海軍が済州西帰浦市の民軍複合型観光美港(済州海軍基地)のクルーズ船防波堤(左)を軍事保護区域に指定すると明らかにし問題になっている=ホ・ホジュン記者//ハンギョレ新聞社

 海軍が民軍複合型観光美港(済州海軍基地)の「民軍共同施設」を除く残りの区域を軍事保護区域に指定すると明らかにし、問題になっている。こうした海軍の立場は、国防部、国土海洋部、済州道の3者が締結した基本協約書の内容にも反すと指摘される。

 18日、済州道などによると、海軍は先月22日、済州道に対して済州海軍基地内のクルーズ船が接岸する西南防波堤(長さ1110メートル)を軍事保護区域に指定するとして、協議を要請した。

 海軍は、民軍共同施設(13万3246平方メートル)内の運動場、宗教施設、民軍複合センター(プール、体育館)、駐車場と独身寮を除く済州基地全体と大型・中小型艦埠頭として使われる係留埠頭を含め、クルーズ船が接岸する防波堤までを軍事保護区域に指定する立場だ。

 海軍は軍事基地設置および軍事施設保護法により、軍事保護区域上に「制限保護区域」指定を推進している。軍事保護区域は統制保護区域と制限保護区域に分かれるが、統制保護区域は民間人の出入りが禁止され、制限保護区域は保護区域のうち軍事作戦の円滑な遂行のために必要な地域と軍事基地、軍事施設の保護や地域住民の安全が要求される地域を対象に設定する。両区域に指定されれば、民間人は部隊長の許諾なしに出入りできなくなる。撮影、録音、測量も禁止される。違反すれば1~3年以下の懲役や300~1000万ウォン(28~93万円)以下の罰金刑を受けることになる。この法を厳格に適用すれば、クルーズ船観光客が江汀(カンジョン)に降りて漢拏山(ハルラサン)を背景に写真を撮れば法律違反に問われることになる。

 海軍がここを軍事保護区域に設定するためには、2013年3月14日に済州道、国防部、国土部の3者が締結した「民軍複合型観光美港共同使用協定書」7条(保護区域指定時協議)に基づき、国防部長官が済州道知事とあらかじめ協議しなければならない。

 済州道はこれを受け容れることはできないという立場だ。道は今月14日、海軍側と協議をしたが、「受け入れ不可」の意見を提出した。道は国際航行船舶および港湾施設の保安に関する法律により、港湾の保安施設、装備設置、捜索人員の配置が可能なので軍事保護区域に設定しなくとも良いと説明した。

 特に2009年4月27日に国防部、国土部、済州道の3者で締結した「済州海軍基地建設と関連した基本協約書」8条(権利行使の制限排除)には「国防部長官は陸上の民軍複合港の境界と、海上の軍港防波堤以外の地域に対しては軍事基地および軍事施設保護区域に指定しない」と定めている。このため一部では、海軍の今回の軍事施設保護区域指定推進は基本協約書違反という指摘もされる。

 済州道海洋水産課のヤン・ヒボム課長は「民軍複合型観光美港である以上、軍事的色彩を緩和しなければならない。港湾保安施設として十分に保安が可能なのに、周辺区域まで制限保護区域に指定し統制する必要がどこにあるか」と話した。

 江汀国際クルーズターミナルの工事は12月に完工し、クルーズ港は来年7月に開港する。来年にはクルーズ船が150回寄港する予定だ。

ホ・ホジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/752799.html 韓国語原文入力:2016-07-18 15:43
訳J.S(1639字)

関連記事