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竣工4年の平壌民俗公園を解体中 張成沢の痕跡を消すためか

登録:2016-06-15 22:18 修正:2016-06-16 06:51
東京新聞が報道
平壌民俗公園=連合ニュース

 平壌(ピョンヤン)の北部にある大城山(テソンサン)安鶴宮(アナックン)址付近にある「平壌民俗公園」が、完工から僅か4年で解体作業が進行中と日本のメディアが報じた。これに先立つ14日には、連合ニュースなど韓国のメディアも「北朝鮮の事情に明るい対北朝鮮消息筋」を引用し、こうした事実を報道している。

 東京新聞は15日、北朝鮮関連の消息筋を引用して、平壌民俗公園の解体工事が5月3日に始まり「現在公園では火薬を使って施設を爆破し、周辺では爆発音が聞こえている。今後この場所にはニュータウンが建設されるという情報もある」と報じた。同紙はさらに、今回の解体作業の理由について「(この施設が)張成沢(チャンソンテク)元国防委員会副委員長の主導で整備されたので、金正恩(キムジョンウン)委員長が『民俗公園がある限り張成沢を思い出す』と解体を指示した」と指摘した。この消息筋は同紙に「張成沢に対して抱く強い憎悪を示すのか、叔母の夫を処刑したことに対する負担が理由かは分からない」とし、また別の消息筋は「多額の資金を投じた施設を安易に解体する命令を下すところに、金委員長の短絡的な思考が伺える」と指摘した。

 平壌民俗公園は2008年、金正日(キムジョンイル)国防委員長が「朝鮮の歴史と民族性を後世に伝える施設が必要だ」として建設を指示し、2012年9月に完工した。30万坪の広い敷地内には、北朝鮮が考える民族の古代から現在までの歴史の流れを見せる遺跡と建築物の模型などが建設されているという。公園完工の直前に金正恩委員長は夫人のイ・ソルチュと張成沢、崔龍海(チェリョンヘ)軍総政治局長(当時の肩書)と共にこの施設を視察したことがある。金委員長は当時「完工したこの場所を見て回り、将軍(金正日)に対する思いを強くした。建設を懸命に発起された将軍をお連れしたならば、どれほど喜ばれたことか」と話したと当時の労働新聞と朝鮮中央通信は報じている。

 この民俗公園が開園した直後に現地取材を行った朝鮮新報は、「博物館には原始から近代に至る五千年の民族史、当代の風習や文化を今に伝える遺物や史料が展示されている。博物館講師の『概括講義』を聴きながら館内を見て回るには3時間以上かかる」と報じた。東京新聞は朝鮮中央通信などを引用して、その後3年間にこの公園を訪れた観覧客は117万人に及ぶと伝えた。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/748274.html 韓国語原文入力:2016-06-15 11:25
訳J.S(1187字)

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