韓国の環境部が7日、排出ガス低減装置を不法に操作した問題で、日産のディーゼル車キャシュカイの販売停止するとともに、韓国日産の社長を検察に告発する措置を下した。また、環境部はアウディ・フォルクスワーゲンコリアが今月2日に提出した3回目のリコール書類を、不法任意設定を認めていないなどの理由で今回も差し戻した。
環境部は7日、「キャシュカイに装着された排出ガス再循環装置が、室内認証試験にかかる20分間は正常稼動し30分以後に停止するのは、室内認証試験とは異なり関連部品の機能が低下するようにした『任意設定』に該当する」として「聴聞手順を踏んでキャシュカイの新車に対しては販売停止、すでに販売された車両824台に対しては認証取消とリコール命令、3億4000万ウォン(約3200万円)の課徴金賦課などの行政処分を下し、韓国日産法人と菊池武彦社長を大気環境保全法違反の疑いでソウル中央地検に告発した」と明らかにした。
キャシュカイの排出ガス低減装置不法操作問題は、環境部が先月16日に「検査の結果、『任意設定』が確認された」と明らかにしたことに対し、韓国日産が「エンジン保護のための設定に過ぎない」と反論している。韓国日産は7日にも「環境部発表に関連する公式立場」という資料を出し、「任意操作をしたり不法装置を使用した事実はないという立場に変わりがない」と主張し、双方の主張は法廷の場で争われる可能性が高くなった。
一方、環境部はアウディ・フォルクスワーゲンコリアが排出ガス低減装置の任意設定で下された環境部のリコール命令に則り、今月2日に提出したリコール計画書類と改善ソフトウェアを「不承認」とし、差し戻した。フォルクスワーゲンのリコール計画を環境部が差し戻したのは、今回で3回目だ。環境部のホン・ドンゴン交通環境課長は「フォルクスワーゲンが提出した書類に、環境部が主要事項として要求した任意設定を認める記述がなく、一緒に提出したティグアン(Tiguan)車両改善のためのソフトウェアは、ドイツでもまだ承認されていない」と、不承認の理由を説明した。
ホン課長は「フォルクスワーゲンがマスコミを通じて世界で1100万台が(米国で明らかになった)任意設定車両と同一と認めながらも、韓国に対して公文書では認めず、任意設定は裁判や消費者補償と関連して意味が大きいので書面で公式に認めることが必要だ」として「今後もフォルクスワーゲンに対し任意設定の認定を求める計画」と話した。